「ウマドラの卵料理が食べたい!!」(料理編)

ゲームマスター:夜神鉱刃

【これまでの経過】
マギ・ジスタン世界紹介◆ ◇「聖アスラ学院のお化け退治作戦」◇ ◆「レヴィゼル教会公園の新年祭に参加しよう!」

第一回予告 第一回新着分New!

【シナリオ参加募集案内】(第2回(最終回)/全2回)

(ナイトさんたち……。今朝、ウマドラの洞窟へ向かったようだけれど……。無事かな? 僕も行ければよかったなあ……)

 バイト少年ティムは、厨房で皿洗いをしながら考え事をしていた。
 例の卵ハンティングの依頼について考え出すと、なかなか仕事に集中ができない。
 しかし、あまりにも集中力を切らすと今度は皿を割りかねないので、何度も気を取り直しながら皿洗いを続けるのであった。

 すると、厨房の裏口からブザーが鳴った。
 誰かが、帰ってきたようだ。

「おっす、ティム! ちゃんと仕事はしているかい? さっそくだが、土産があるぜい?」

 ナイトだ!
 どうやら、ナイト・ウィング(NPC)たちは、卵を無事に確保して帰ってきたようだ。
 ナイトの後ろには、卵を抱えている人たちがいる。
 お姫様のように美しく背が高い女性、魔術師風の好青年、植物的な雰囲気がある凛々しい女性……の3人が卵を大事そうに抱えていた。

「ナイトさん! 本当に……野生のウマドラの卵、取って来られたんですね!」
 ティムは舞い上がり、皿洗いの仕事を一度切り上げて、裏の出入口まで走ってきた。

「おいおい、厨房で走っちゃいけないぜい? ま、ざっとこんなもんよ。で、ジェニーだったか? 早いところ、妹さんを呼んでこようぜい?」
 ナイトはポケットから車の鍵を取り出して、手元でくるくると回していた。

「こほん!」
 と、出入口で立ち話をしていたところ、厨房長がやって来て、わざとらしく咳をした。

「あ、ええと……。すみません! すぐに皿洗いへ戻ります!!」
 厨房長は、慌てて現場へ戻ろうとするティムの首ねっこを捕まえた。

「ティムにナイト……。話は他のスタッフから聞いた。なんだ、水くさいじゃないか! 例の卵が必要ならば、そう言ってくれればよいものを……。で、ティム。君の妹を今から迎えに行こう。うちの車を使っていいし、運転は私がやろう。ナイトは厨房の方を頼む。それでいいかな?」

「え? いいんですか?」
 焦るティムに厨房長は笑顔で返す。

「あたりまえだ! さあ、早く行こう!!」
「はい! ありがとうございます!!」

 意外にも……厨房長はティムのことを心配していたのだ。
 こうして、ティムは厨房長の車に乗せられて、自宅へと急いだ。
 一方、ナイトの方は、ギルドで集めた仲間たちを厨房に入れて、さっそく卵料理の準備に取り掛かるのであった……。

***

 聖アスラ学院地区からやや離れた地区に、スラム街がある。
 ここは身寄りのない子どもたちが集まる貧乏な小地区だ。

 厨房長の魔導車はティムの自宅前で停止した。
 ティムは車から降りると、寂れた賃貸アパートの我が家へ急ぎ、勢いよく扉を開けた。

「ジェニー!! 具合はどうだい? 兄さん、良い知らせがあるぞ!」
 ティムは、部屋の一角にあるベッドで寝ているジェニーのところへ駆け寄った。

「ん? にいさん? けほ、けほ……。ぜきがちょっとでるぐらいで……きょうはからだのぐあいは、いいほうだよ……」
 ジェニーはベッドから起き上がり、にこりと笑う。

「ジェニー、聞いてくれ! ウマドラの卵が手に入ったんだ! ギルドの先輩のナイトさんとギルドで集めた冒険者たちが新鮮な卵を取ってきてくれたんだよ! これで滋養のある卵料理が食べられるから病気も良くなるぞ!!」
 ティムは驚きと歓喜の表情を隠せず、一気にしゃべり出した。

「にいさん……ありがとう……。びょうき、きっと、よくなるよね……」
 ジェニーにも兄の温かな感情が伝わり、思わず嬉しい気持ちになれた。

「さあ、今から『ワスプ』へ行こう! きっとナイトさんたちがおまえのために卵料理を作ってくれているよ! 表には厨房長が車で待っているから、早く支度しよう!」

「はい、にいさん……。おしたくして、みなさんのところへいって、たまごをたべて、げんきになる……!!」

【解説】

 今回のシナリオ「料理編」では、タイトル通り、皆さんに料理をして頂きます。前回の当シナリオで、ウマドラの卵を3個確保できましたので、その限度で料理ができます。

 料理できるのは「卵料理」に限りますが、卵料理であれば何を作られてもかまいません。しかし、確保できた卵の数は3個ですので、制限はあります。


<卵3個でできること>

 今回の場合ですと……。

・参加者(PC様)全員、卵料理を作ることができます。
(このシナリオは参加者何人までと限定はしません。むしろ、前回の「調達編」で不参加だった方であっても今回のシナリオに参加することができます)

・作れる量は、各自、「自分の分」、「お持ち帰りの分」、「誰かに分け与える分(あるいは誰かと交換する分)」のみとなります。

・大規模な分け与えはできません。例えば、孤児院の子たち全員に分け与えるなどのビックイベントはできません。

・皆さんが作る分とは別に「ワスプ」からのお土産(お持ち帰りアイテム)もあります。ナイトが皆さんのために「とある卵料理」を作ってくれます。



<料理の味の判定方法>

 今回、皆さんは「料理」をするわけですが、作れた卵料理の味について判定方法を設けさせて頂きます。

 TRPGみたいに、ダイスの判定となります。

 僕(夜神ゲームマスター)が、8面ダイスを振ります。
 8面ダイスを振って出たダイスの目の数が味の判定となります。
 以下のような項目で判定をさせて頂きます。

ダイスの目

1・・・あまり美味しくない

2・・・ちょっと美味しくない

3・・・可もなく不可もなく

4・・・普通

5・・・まあまあ美味しい

6・・・けっこう美味しい

7・・・かなり美味しい

8・・・最高に美味しい

 なお、「技能」で「料理」系の技能を持っているPC様の場合、ダイスの目に+1が加算されることとします。(「料理」系の「技能」かどうか判断が際どい「技能」の場合は、自己申告してくだされば対処致します)



<アクションのかけ方>

 今回みたいなイベントシナリオの場合、戦闘はありません。今回は、コミュニケーションを取る「アクション」内容のシナリオとさせて頂きます。

 皆さんに取って頂きたい「アクション」内容は・・・。

1.卵料理をいかに作るか(料理が詳しくない方は、調理方法まできっちりと書かなくても大丈夫です。こちらでアレンジしておきます。ですが、何の料理を作るとか、どんなふうに料理を作るとか、作ったあとはどうするのか、などの「アクション」は少なくとも書き込んでくださるようにお願いします)

2.卵料理を誰と食べるのか(このパートがコミュニケーションパートとなります。詳しくは「アクション案内」でまた解説します。このパートでは、作った卵料理を誰に分け与え、あるいは誰と交換して、どんなコミュニケーションを楽しむのか、などの「アクション」を書き込んでくださるようにお願いします)


<卵データ>

ウマドラの卵

 滋養が高く、味も絶品。ハイランダーズ国家のみならず、マギ・ジスタン世界全体でも、トップレベルの卵。世界中の料理人が注目している最高品。色は基本、白。

 全長:1m
 体重:30kg


<NPCデータ>

ナイト・ウィング

 冒険者ギルド「ワスプ」で働く二十代後半のバーテンダー兼コック。料理の腕前と酒の調合具合に自信あり。性格はヒョウヒョウとしているが、いざとなると頼りになるアニキ肌の二枚目。(しかし、しゃべり方が変なので三枚目でもある)

ティム・バトン

 冒険者ギルド「ワスプ」のバイト少年。十五歳。料理の腕前はまだまだの見習い。性格はまじめで妹思いだが、それゆえにたまに思いつめてしまうこともある。ナイトのことは慕っているが、スラム街の出身なので魔術師階級の人たちに関してはあまり良い感情を持っていない。

ジェニー・バトン

 ティムの妹。十歳。病気がちで学校にもあまり行けていない。病気の症状は決して難病で治らないわけではないが、貧乏なので滋養の高い料理が食べられず、ひどい風邪をこじらせている。性格は優しくておっとりしているが、あまり外の世界を知らないので世間知らずなところもある。兄のティムをとても慕っているが、他の人たちと話をする機会が少なく人見知りをしてしまうこともある。

【参考】


【ウマウマドラゴンの卵】



解説:マギ・ジスタン世界が誇る世界最高級品のひとつです。ウマウマドラゴンの卵は、養殖であっても、滋養が最高に高く、味も格別なうま味があります。野生のウマドラの卵であれば、鮮度が高いため、さらなる滋養の増強とうま味の深化を食することができるでしょう。栄養不足で病気がちな人も、この卵で作った卵料理を食べると、一撃で回復すると言われています。


【オムライス】




解説:数ある卵料理。皆さんのお好きな卵料理は何ですか? 私(解説者)は卵料理ならば全部好きですが、中でもオムライスがとても好きです。一面に広がる黄色い卵の仄かな甘味、トマトケチャップで赤く味付けされた香ばしいチキンライス・・・スプーンで一口すくって食べると幸せの味がします。ぜひ皆さんも、お好きな卵料理作りにチャレンジしてみてください。


【ワスプのキッチン】

解説:今回の依頼は「ワスプ」からでしたので、当然、調理の際にはキッチンを無料で自由に使わせてもらえます。「ワスプ」のキッチンは食材も調理器具も一通り何でもそろっていますから、何を作るにしても不自由しません。皆さんもぜひ、「ワスプ」のキッチンをお借りして、とびっきりの卵料理を作ってみましょう。

【アクション案内】

y1.卵料理を作って、ジェニーに分け与える
y2.卵料理を作って、ティムに分け与える
y3.卵料理を作って、ナイトと一杯やる
y4.卵料理を作って、他のPCと料理を交換しながら食べる
y5.卵料理を作って、シナリオに登場していないNPCに分け与える
y6.その他

*アクション案内補足

補足1:

 必ずしも「ジェニー」に分け与えなくてもシナリオクリアです。
 少なくともナイトがジェニーの分を作って分け与えています。
 ジェニーとコミュニケーションが取りたい場合、彼女を選択してあげてください。

補足2:

 選択肢4は、他のPC様方と料理を交換して食べるので、「連携アクション」になります。

補足3:

 選択肢5では、シナリオに登場していないNPCに参加を促すことができます。例:スノウ、コーテス、シルフィー、革命じいさんたち、ウォルター教授など。

補足4:

 選択肢6に関しては、卵3個分なので、孤児院の子どもたち全員に分け与えるなどのビッグイベントはできません。(参照:上記の<卵3個でできること>)

補足5:

 このシナリオは、第1回に参加していないPC様でも途中参加できます。
 逆に、第1回に参加したPC様が強制参加になるシナリオでもありません。
(ですが、マスターとしては、できるだけたくさんの方が来てくれると嬉しいです)


【マスターより】

  前回はおつかれさまでした! 「リアクション」を読まれた方はご存知かと思いますが、けっこうな死闘になりましたね。しかし、皆さん、無事に卵を3個も取って来られたようで、何よりです。獲得した卵の数が3個ですから、今回のシナリオでは色々なことができますね。ぜひ卵料理で、調理の限りを尽くして、美味しいアクションをお願いします。リアクションも美味しめに書ければ、と今から楽しみにしています。なお今回がウマドラシナリオの最終回ですから、最後に「ワスプ」(ナイト)からも皆さんにお礼の品があるようです。そちらの方もお楽しみに!