ゲームマスター:田中ざくれろ
【これまでの経過】
◆オトギィズム世界紹介◆ ◇「赤い流星」◇ ◆『海底大戦争』◆
◇『狼男達の午後』 ◆『姫! 姫!』◆ ◇『全自動の精霊』◇ ◆『スノーホワイト』◆ ◇『Drアブラクサスの実験獣』◇
◆『都市伝説をぶっちぎれ』◆ ◇『酔狂スペシャル』◇ ◆『A FIRESTARTER』◆ ◇『闇鍋奉行、参上!』◇
◆『四月のバカのラプソディ』◆ ◇『毛皮の靴』◇ ◆『グラディースの洞窟』◆ ◇『続・闇鍋奉行、参上! Dr参戦!』◇
◆『バッタもの奇譚』◆ ◇『チークちゃんに叱られる! ゲージュツって何だ!?』◇
◆『出没! 私立らりほう学園!!』◆ ◇★SHOW MORE NIGHT WANNA TOUCH◇
◆『十歳、おめでとう』◆ ◇『サーカスがやってくる』◇
◆『ダイオウスズメバチの小屋』◆ ◇『ドンデラの男』◇ ◆『呪われた壺』◆ ◇『違和感の色彩』◇ ◆『チェーンソーに心奪われし者達』◆
◇『光の巨人』◇ ◆『オークが多くいるなぁ』◆
◇『セントウ開始』◇ ◆『ロイヤル・ウエディングは踊る』◆ ◇『病院でカレーを食う』◇
◆『ターキッシュの備忘録』◆
◇『雀のお土産』◇ ◆
『十二支の結呪』◆ ◇『敵はDrデストロイ』◇ ◆
『金属バット、現る』◆ ◇『騎士よ、騎士よ!』◇ ◆
『ピストン・マン』◆ ◇『ペンギニック・ワールド』◇ ◆
『アフター・サウザンド・イヤーズ』◆ ◇『ブンブンとくねくね』◇ ◆
『オクの帰還!?』◆ ◇『タイガーストライプの饗宴』◇ ◆
『赤ちゃんは何処から来るの!?』◆ ◇『ヴィデオストーム』◇ ◆
『雨宿りの館』◆ ◇『カチカチマウンテン』◇
【シナリオ参加募集案内】(第1回/全3回)
| ★★★ 「さぁー。この薬を飲めばお嬢さんも夢の巨乳になれるネ!」 不躾な言葉に、家の者は猛然と怒ってこのセールスマンを戸口から追い出した。 『オトギイズム王国』の文化から考えると、各家庭を訪れて商品を売り込むセールスマンは未来的な職業だ。異世界からやってきた『羅李朋学園』から持ち込まれた職業なのだろう、 王都『パルテノン』。 都内を流れる川の幾つかは下水道からの支流だ。魔法的な力で浄化されているが小さなごみが浮いていたりする。 まるでオークの様な豚顔の中年セールスマンは、小さなアタッシュケースを抱えて川のほとりに座っていた。 「アイヤー。やっぱりこんな商品は売れないネ。何処で売りこめばこの『ビーナスの素(もと)』を買ってもらえるのカ……」 太った腕でアタッシュケースを川に放り込もうとし、思い直して止める。 仕立てのいい服を蝶ネクタイで飾ったセールスマンは、たるんだ頬を自分の手で張って立ち上がる。 「ファイト、ファイトネ。自分で選んだこの職業なんだから一所懸命になるのネ、自分」 アタッシュケースを抱えた男は川辺から速足で離れて、大通りへと戻っていった。 彼の足は、裕福な家庭が並ぶ富裕層の住宅へと向かっていく。 ★★★ 温かい下水道の中には、すねに傷持つ者達が居ついていたりする事もある。 暗い闇を照明が穿つ。 松明等を持ち込んだ身なりが悪い三人の男達が、火を囲んで大ネズミの肉を焼いていた。 薄汚れた濃緑のローブを着た人間の男が小さなナイフを手の内でもてあそんでいる。 「近頃、ここら辺で人間達の行方不明が多いってホントか」 歯に挟まった肉のすじをナイフでほじくるドロウエルフは、周囲を埋め尽くす闇を抜け目なく覗き込む。 背景音は小さく火が爆ぜる音とわずかな水の流れ。 濡れた闇。 「……?」 と、その音に違和感を感じた男達。 何処からか機械的な音がする 背後の闇の中から、機械的な規則正しい音が近づいてくる。 「何だ?」 何かが近づいてくる気配。 大きい。自分達より遥かに。 と、突然、ハーフオークが背後の闇の中に引きずり込まれた。 悲鳴を挙げる間もなく噛み砕かれる音。 小さなナイフがその闇の中に投じられる。 闇の中で何か固い物が刃を跳ね返す音がした。 濡れた路面に腹を引きずる様な音。 「や、やべえ!」 残りの二人は逃走に移った。 何が襲ってきているか解らない。 ただひたすらここから逃げ出すために走る。焚火の火を蹴散らして。 二人はやがて下水道から脱出する事になる。 この事件は最近の行方不明者がどうなったのを推測する重大な事案として世に知られる事になる。 だが結局、肝心な焦点は何処かぼやけたままなのであった。 ★★★ 夕焼け。 パルテノン貧民街。 薬師『オルガノ・サンダーソニア』の作業所兼住居。 「アイヤー! お母ちゃん勘弁してーナ!」 まるで虫歯の歯列の様な貧乏長屋に、男の声が響き渡る。 家内より漏れ聞こえるその悲鳴は、聞いた事のある人間ならばあのオーク似のセールスマンの声だと解る。 「確かに今日は一壜も売れなかったケド、明日ハ! 明日こそハ!」 金切り声。家の中から沢山のサルが鳴く声がする。 投げつけられたマグカップや手洗桶等の生活雑貨をよけてセールスマンは外に飛び出す。 オレンジの夕陽が反射する大水道に影を落とした男は、今日も夕飯抜きとなったらしい。 妻に尽くすも報われないこの男は、あまりにも強引で鬱陶しいセールスでパルテノン中に手配書が回ったという事だ。 ★★★ 「一〇日前から屋敷の中で行方不明になっている娘達を捜索してほしいでザンス」 パルテノンの冒険者ギルドを訪ねてきた豹柄ドレスの女貴族は、言いながら受付の書類に書き込んだ。 「娘達の名前はキャサリン、ジョセフィン、キャロルでザンス」 「……自宅で行方不明、ですか」 「屋敷は広いザンスからね」 呆れた顔をわずかに見せる受付のトレーシ・ホワイトに気づかず、女貴族『ブルエッタ・ア−モンド』は連れた執事に報奨金の金袋を出させた。 「娘をそれぞれ一番に見つけた冒険者に五〇万イズム支払うザンス」 宝石や貴金属で身をふんだんに飾ったブルエッタは書類を作ると、さっさとギルドから去ろうとする。この様な下賤な所に長居したくはない、そんな雰囲気で。 観覧していたホールの冒険者達はその態度にカチンと来た顔を作る。 「おいおいおいおい……」 いけ好かない厚化粧の女の歩みを一人のモヒカン冒険者が邪魔をした。 「三人の娘を捜せってんなら特徴くらい言ってけよ。オ・バ・サ・ン!」 ザコっぽい冒険者の言葉に、彼女のこめかみに青い血管が浮く。 女性の白い手が執事の持っていた小袋を投げつけた。 ザコ冒険者の頬に重そうな袋がクリーンヒット。 「その金が欲しければ今の言葉を謝罪してから拾いなさい」 モヒカンザコを見下ろしたブルエッタの冷たい瞳。 顔に痕をつけていたザコはしばらく悩んでいた顔をしていたが「ケッ!」とだけ言い捨てて、階下に降りる階段を逃げる様に下っていった。 床に落ちていた小袋は執事が回収する。 「あのぉ……特徴だけでも言っておいた方がいいと思うのですが……」 恐る恐るの体のトレーシの声に、女貴族は一瞬立ち止まる。 ちょっと考える素振りをして、 「皆、解りやすいように柱時計を飲み込ませていますから」 「柱時計!?」 驚く受付嬢にその言葉だけ投げて立ち去ろうとする。 そして、この騒動を囲んでいた冒険者達がボソボソと「娘って一〇日間も食べないでいるのかよ」という陰口めいた喋り合っているのを聞き、 「娘達は一週間や二週間の断食も平気ですわ」 その言葉を最後に冒険者ギルドの玄関から出ていった。 ★★★ |
| z1.女貴族の三人の娘を捜しに屋敷へ赴く。 z2.地下下水道の『襲撃者』を捜しに行く。 z3.オーク似のセールスマンに会いに行く。 z4..その他。 |
【マスターより】
| ★★★ 今回は捜索物です。 もしかしたらこのシナリオの元ネタに気づく人がいるかもしれませんが、そうです。あの映画です。 動物パニック映画としては最高に面白いんじゃないかと思うんですが、この映画、何故か最近まで不遇のマイナー作品の立場にいました。 何故だろう。本当に面白いのに。 皆さんにその映画の面白さの五〇分の一でも伝わりますように。 では次回も皆さんによき冒険の風が吹きますように。 ★★★ |
| 一般用アクションフォーム | *PL専用 PL専用アクションフォーム |
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【ゲーム・シナリオ構成/料金体系】 1.このシナリオの参加料金は、1キャラクター¥800です。 2.このシナリオの参加人数に制限はありません。 3.このシナリオは、「新規PL・PC参加キャンペーン」対象です。 【スケジュール】 2026年3月16日 新規PC登録締め切り 2026年3月19日 アクション締切 2026年4月2日 入金締め切り 2026年4月5日 リアクション公開予定 【制作担当者一覧】 本文執筆:田中ざくれろ NPCイラスト:はるきち グランドプロデューサー:秋芳美希 |