神官の隠れ里アマラカン

 超自然界に浮かぶ大地アマラカン。アマラカンの神官たちは、その大地を守り広げる一方で、ムーア世界を影ながら守ってきた存在だった。
 そのアマラカンにおいて、異世界人の乙女リリエル・オーガナによって4つの試練を越えた東トーバ神官長ラハ。試練を越えたラハは世界を閉じる“要”となり、同時にムーア世界とアマラカンとをつなぐ神官主の地位を衣冠される。
 一方、ラハの試練時に崩壊の危機にあったアマラカン。その危機を、“亀裂を埋めるように大地を広げて、割れた大地を繋ぐ”ことで安定させたのは、異世界人の少女リューナであった。リューナによって崩壊をまぬがれたアマラカンは、神官子孫の難民を受け入れることができるようになったという。
 しかし、受け入れを伝えるアマラカン元神官主モネの言葉に考え込んだのは、コウモリ型の羽を持つリューナ本人であった。
「うーん。その答えはキャンプのみんなに聞いてみないと何ともいえないわ」
 リューナには、キャンプの民全員がアマラカンに住む必要はないと考えたのだ。そのリューナに同調したのは、エルフの容貌を持つリリエルだった。
「あたしは賛成よ。何はともあれ、早くキャンプに戻るべきね。報告したいことはたくさんあるわ。もちろん、ラハも戻るのよね?」
 リリエルの言葉に、神官主となったラハが強く頷いた。
 虹色の光が満ちる超自然界。その中を流れる気流は、各々精神防御壁を作る一行をムーア世界にある『氷の女神像』へと送り出していた。


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