−東トーバ神殿内−
東トーバ要の一人は、やはり神官長ラハである。
君主マハに目通る為には、ラハの裁可が必要であった。
ムーアの市より案内されてやって来たアクア。
アクアは神官長ラハに、妹フレアとの共同作戦を告げる。
しかし、バリアを利用したアクアたちの作戦に神官長ラハは首を振ったのだった。
「残念ながら……まだその時ではありません……」
一国を統括する戦力を持つ《亜由香》。
《亜由香》には、無尽蔵ともいえる『人』の投入量がある。
加えて、魔も戦線に加われば『戦線を一点に集中させ、前後から一網打尽』というアクアたちの戦術には厳しいものがあったのだ。
「敵の数が多すぎるのです……」
肩を落す神官長ラハ。
そのラハに諦めてはいないアクアは言った。
「なら、敵の戦力が落ちればいいんですね〜。
本当は君主マハに会えたら聞くつもりだったんですが、西のゴーテとの共闘態勢はどうなっているのですか〜?」
魔紅翼の翼を持つアクアがにっこりと笑う。
「私は西のゴーテから援軍要請を出すよう進言したいです〜」
この言葉に、神官長ラハは苦渋の表情となる。
「西ゴーテ……今まで幾度となく使者を出して来ました……しかし……帰って来た者は一人もいないのです……」
「では、その西ゴーテってどんな位置にあるのですか〜?」
苦難を苦難と感じさせないアクア。
そのアクアの声に励まされて、神官長ラハは西ゴーテへの道を告げた。
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