『海底大戦争』

ゲームマスター:田中ざくれろ

【シナリオ参加募集案内】(第2回/全3回)

★★★

 港町『ポーツオーク』の冒険者ギルドでは様々な噂が飛び交っていた。
「聞いたか? 伝説の『竜宮城』が発見されて『謎の老人U・T』とかいう奴が殴り込みをかける為の冒険者を急募しているらしいぜ」
「知ってる。何でも参加した冒険者には報酬として竜宮城の宝を山分けだとかな」
「地下酒場の荒事好きな奴が参加しそうだな」
「竜宮城か。何でも乙姫という美人の姫様がいるんだってよ」
「竜宮城は『時の結界』というのと獰猛な肉食魚の群によって守られてるっていうぜ」
「えー、俺は物凄く強いドラゴンが番人だって聞いたぜ」
「何だよ、そんなので怖気づく俺様じゃないぜ。……でも、竜宮城って海の底にあるんだろ。どうやって、そこまで行くんだよ。俺様は自慢じゃないが泳げないんだ。ダルマ浮きさえ出来やしねえ」
「えー『モグレール』! ただ今、冒険者ギルド一階で流しのアイテム売りが一錠で一日、水中で息も出来て、深海の水圧にも負けない魔法の薬『モグレール』を絶賛販売中! 一錠、たったの五千イズム!」
「あれ? U・Tの依頼は荒っぽすぎて、冒険者ギルドが中止命令を出したって言うじゃないか」
「続行らしいぜ」
「そう言えば、例の三叉槍一万本とかいう奴はどうなった。結局そろったのか」
「あれは噂だと無事納品されたらしいぜ。何でも海蜘蛛の魔女『アルケルナ』というデザイナーが注文してたらしい」
「アルケルナか。強力な魔術を持つ、深海に住む美幼女だというが」
「そいつに会えれば何でも願いを叶えてくれるみたいだな。ただし、代償として一生の忠誠を誓わさられたり、取り返しのつかない大事な物を要求されたりするらしい」
「一万本の三叉槍をそんな奴が何で買ったんだ」
「さあな。噂ではゴーレム一万体作戦というのが背後にある様だ」
「護衛の巨大タコを倒して、アルケルナを殺すと永遠の命が手に入るらしいぞ」
「ところで漁師の村に捕まった、喋れない全裸美女というのはどうなった」
「その娘は人魚だった様だぜ。ひれの代わりに脚が二本ついている珍しい人魚だ」
「人魚かー。そういえばそういう種族もあるって物知りの爺さんが言ってたっけなー」
「人魚といやあ、人魚の王国が何やらぶっそうらしいぜ。人魚の姫様が行方不明だっつー噂があるけど」
「何処から聞いたんだよ。その噂」
「人魚の女って皆、巨乳なんだろ」
「ちげーよ。皆、貧乳なんだよ」
「人魚の女王が何でも理想の結婚相手である王子様を探して陸に上がったって話だぜ」
「王子といえば、バラサカセル王子はどうなった。この町の近くの沖で船から行方不明になったんだろ」
「あれは、ここまで捜してダメだったら、もうあきらめるしかないさね。王城でもバラサカセル王子の話題になると葬式ムードになるっていうし……」
 冒険者ギルドに限らず、あちこちで様々な噂が飛び交っている。
 眉に唾して聞くもよし。
 大穴を狙って胡散臭い噂にとびつくもよし。
 気をつけよう。「らしい」「みたいだ」「という話だ」。
 冒険者達は今日もポーツオークという歯車をぐるんぐるんと回し続けているのだった。

★★★

【アクション案内】

z1.U・Tと一緒に竜宮城に関わる。
z2.海底の海蜘蛛魔女アルケルナに関わる。
z3.漁師の村にいる、喋れない人魚に関わる。
z4.その他

【マスターより】

 今回は『海底大戦争』の第二回となります。
 これまでの謎については色色と情報が出ています。情報処理をしてアクションを書いていただけると、私はとても嬉しく思います。
 第一回では私が「いつか書きたかった、ある漫画のパロディシーン」が書けて、とても満足しています。
 いやー、書いてみたかったんだ、これ。でも一度、書いちゃうとオリジナルのそのシーンを読む度、このパロディがオーバーラップする事になるね。どうすんだ、私。
 あ、あとちょっとアクションについて言っておきたい事柄を幾つか。
 一人称アクションも、よければ主語を書いて下さい。
 アクションに書いてなくても、マスタリングによってはPCが持っているアイテムを使用する事があります。しかし、使うと永久消費してしまうアイテムの使用は、私は基本的に『遠慮』します。永久消費アイテムを使用したい場合は、ぜひアクションで指定して下さい。
 色色とうるさかったですかね。
 では、次回にもよき冒険があります様に。