ゲームマスター:田中ざくれろ
【シナリオ参加募集案内】(第1回/全1回)
★★★ 「ちょっと情けない話なんだが、全くふざけた罠ばかりだったんだよな」 『冒険者ギルド』二階の酒場。。自分達の事を、男はそんな風に話しはじめた。 その男をリーダーとして出かけていった冒険者パーティは、依頼通りに街道を荒らしていた山賊を全滅させてきたという。 全滅させた付近を探すとアジトとして使われていた洞窟が見つかり、当然の役得としてのお宝捜しを行うべくそこへ入っていった。 しかしだ。 「入り口でまず、先頭を歩いていた奴の頭に大きな金だらいが落ちてきたんだ。わかるか、洗濯の時に使う、あの金だらいがだよ」 金だらいと鉄兜がぶつかり、衝突時にはやたらと騒がしい音が鳴り響いたという。警報代わりだったのかもしれない。 罠は入り口に仕掛けられていたそれだけではなかった。 列をつくって通路を歩いていると、今度は天井から小麦粉がちょっとした白い雪崩の様に落ちてきて、皆を白い彫像みたいにしてしまった。。 用心してその通路の天井を調べてみると、数歩歩くと次は煮えたぎった油が下を通った奴にかかるようになっていた。知らずにひっかかっていたら人間フライになっていたところだ。 そこから分岐する曲がり角を幾つか曲がった所では地面に偽装した落とし穴があり、戦闘の戦士がこれにもかかった。落とし穴自体は低かったが、中にはこれでもかというくらいのウヨウヨの小さな蟲にあふれていて、屈強の戦士が全身を節脚を沢山持つそれらにたかられて女性の様な悲鳴を挙げた。穴から引き揚げられた時、戦士は蟲まみれで何匹かは鎧の下の衣服の中にまで入り込んでいた。 その内、宝箱のある部屋を見つけたが、パーティのシーフはそれに仕掛けられていた罠を解除するのに失敗してしまった。すると蓋の隙間からニンニクと腐った玉ねぎが混じった匂いがするガスが噴出して部屋一杯に広がり、皆、そのあまりにもひどい臭さと刺激に眼鼻をやられ、部屋をとびだす羽目となった。 匂いは服や身体に染みつき、皆は一目散に洞窟を脱出すると近くの川まで走った。服のまま、とびこんで必死に水浴びと洗濯をしたが匂いはなかなかとれなかった。 水浴びがすむと、パーティはそれ以上、洞窟を探索する気をなくしてしまっていた。 そして手ぶらでギルドまで帰ってきたのである。 「と、いうわけでさ、そのアジトの洞窟を探索する権利を誰かに渡したいと思ってるんだよ。まだ奥まで通路は続いてたから、もしかしたら金目の物がまだあるかもしれねえぜ。‥‥オレへの見返り? 金はいらねえよ。ただな、帰ったらオマエさん達にそのダンジョンで何があったかを教えてほしいんだ。自分の身に振りかかる災難はイヤなもんだが、他人の災難ってのはいい酒飲み話になるからな」 ★★★ 結局、そのダンジョンの件は冒険依頼として一階の受付ホールに掲示された。 ダンジョンで起こった事の詳細も書かれている。 この依頼の報酬金は出ないが、ダンジョンにあった物は全部、引き取っていいとの事だ。 しかし、このへんちくりんなダンジョンで起こった事は全てギルドの中では有名な噂になっていた。誰が好き好んでこんなへんてこな罠だらけの洞窟に挑むのか、依頼を受ける奴の気が知れない。それがほぼ全員の意見だった。 「面白そうなダンジョンね」 だが、その貼り出された依頼書を眺めながら、腕を組んでそう呟く少女がいた。 身長は百五十センチほど。 ライトブラウンの髪に赤い頭巾。 痩せ気味の白い肌にハイレグの赤いレザーボンテージで、Tバックが食い込んだ尻が白い。 美少女冒険者『サンドラ・コーラル』。 以前『赤いチューリップ事件』『オオカミと子山羊事件』『オーク三百匹事件』等で界隈では有名な少女冒険者だ。 「別に誰の協力もいらないわ。そうなれば宝は全部ひとり占めだもの」 微笑を浮かべながら場を去る彼女を、野次馬の冒険者達は何とも言えない神妙な表情を持って見送るのだった。 ★★★ |
【アクション案内】
z1.慎重にダンジョンを攻略する。 z2,赤頭巾サンドラが罠にかからない様にフォローする。 z3.面白いから自分から罠にかかりまくる。 z4.その他。 |
【マスターより】
シナリオタイトルは「しょーもないワナたち」と発音して下さい。ちなみに翻訳サイトで無理やり翻訳させたら「触れるより多くの夜を見せる」という和訳が出ました。なんのこっちゃ。 というわけで、これは笑える罠やハプニングに遭遇する事を前提としたギャグシナリオです。 参加する人はプレイングにアクションとは別に「遭遇したい罠やハプニング」「罠にかかった時のリアクション」を書いて下さい。それに遭遇するのはあなたかもしれませんし、別のPCかもしれません。 ただ、なるべく友情を破壊しない種類の罠がおすすめでしょう。 では、皆様によき冒険があります様に。 |