【シナリオ世界概略】


 マギ・ジスタン世界は、魔術と科学が高度に統合された統治国家。特別な王様などがいない、古代より受け継がれた民主主義・自由主義国家。各界のトップの大半は、魔術を高度に使用できる人間たちが統治している。近年では、異世界の接触も多いせいか、警察や軍隊でも手を焼く事件が続発。 世界は今のところ表向きには平和だが、それでも新時代への革命を掲げる者や、技術の恩恵の陰で犯罪に手を染める者や、魔術の力が乏しくて貧困を強いられる者もいる。あるいは歴史上ではずっと裏舞台にいた神秘的な存在たちが時折起こす事件もある。マギ・ジスタン世界は、現代的な問題を抱えつつも、異世界人たちを受け入れて、今、新しい時代の一歩へと踏み出そうとしているのだ。




【シナリオ世界地理概略 <マギ・ジス>】

【概略】

・マギ・ジスタン世界の大陸である、クレサント大陸の真ん中に位置する円状の国家。創世記以後、世界最古の国家。古代より、この世界の中心的な役割を務めてきた国家。魔術が発祥した地でもあり、古代より受け継いだ高度な魔術文明を誇る。現代では、学園都市として有名。

【政治体制と国民性】

・古代マギ・ジスの影響により基本的に民主主義国家だが、国を動かしているトップの大半は高度な技能を持つ魔術師。人々は言いたいことを言っても良いという空気はあるが、しかし言ったことの責任は自分で取るという風潮が古代よりある。マギ・ジスの国民性として、自由と責任を重んじる気質が特徴的。また、マギ・ジスは世界的に見て都会なので、都会っ子気質でもある。

【気候】
・マギ・ジスの気候は一年中、春。適度に暖かい気温のため、一年中が真夏(フレイマーズ)や冬(ノーザンランド)の国から移住してくる人たちもいる。

【大学】

・マギ・ジスは古来より研究熱心な国でもある。世界最古の大学であるマジ・ギス大学と、近代の戦争以後に創設された聖アスラ学院(初等部から大学まである)がトップの学術機関。なお他の国にも大学はあるが、マギ・ジス大学と聖アスラ学院は全国の受験生たちの憧れの的。科学研究の世界トップがマギ・ジス大学。魔術研究の世界トップが聖アスラ学院。と言われている。なお地理的には、マギ・ジス大学がマギ・ジスの東側、聖アスラ学院がマギ・ジスの西側。基本的に学園都市の国なので、この二つの学校周辺を都市一帯として賑わっている。

【国家周辺】

・マギ・ジスの周辺は森で囲まれている。森には妖精や精霊がいるといわれ、実際に目撃されたり研究されたりしている。マギ・ジスの二つの大学は妖精学や精霊学も実地でフィールドワークができるので強い。有名な精霊として、森には地の精霊がいて、付近のドーナッツ大河には水の精霊がいる。
・マギ・ジスの北は、森を抜けると、ハイランダーズに出る。ハイランダーズは山岳国家であるので、首都へ出るには山を越えて行く必要がある。また、マギ・ジスの南は、森を抜けると、砂漠地帯へ出る。砂漠を越えて行くと、フレイマーズの首都へ行ける。

【交通】

・現代のマギ・ジスは科学と魔術が高度に統合された社会であるので、交通機関も発達している。ただし、「現代日本」のような科学的な発達具合ではない。例えば、魔術の力で飛ぶ飛行機、魔術の力で走る汽車、魔術の力で航海する船、魔術を原動力とする車などがある。また、異世界を研究する研究施設では、異世界(平行宇宙や可能世界)へ飛べるマシーンなどもある。陸路、空路、海路、異次元、どの移動手段も強い。

【文化】

・マギ・ジスの食文化は、ファストフード(ハンバーガー、ピザ、サンドイッチなど)がもっとも定評がある。また、肉系料理(ステーキ、バーベキューなど)でも有名。国が大陸の真ん中にある世界の交流地点でもあるので、割と何でも世界中の食材や食べ物が集まる。

・大陸内の他国や異世界のみならず、マギ・ジスは、イースタ国家とも交流が活発なため、「東洋」文化の受け入れ具合も発展している。近年では、マギ・ラーメンや、マギ寿司などの名物もある。イースタを模倣した電気街もあり、サブカルチャーも盛ん。

・マギ・ジスは近代的な都市で世界的に知られているが、古代時代の遺跡である「レヴィゼル教会」や魔術討論の場「アゴラム」なども現代までに残っている。また文化的な都市なだけあって、美術館や博物館などの建物も多い。

【軍事力と警察力】

・マギ・ジスの軍事力は世界最高水準。魔術兵器や魔術戦闘機を高度に駆使しする軍隊がいて、魔術による白兵戦の厳しい軍事訓練があるなど、他国の追随を許さない。かつての大戦で二度(二度目の勝利は西側マギジスのみ)も勝利をしているだけあって戦には強い。また、警察力も高く、治安の統治はされている。しかし時には、スラム街の犯罪や反魔術の革命テロなどにも悩まされる。貧富や魔力(全ての者が高度な魔術を使えるわけではない)による格差は社会問題でもある。

【シナリオ世界地理概略 <ノーザンランド>】

【概略】

・マギ・ジスタン世界の大陸である、クレサント大陸の北に位置する台形状の国家。北国らしく、一年中、雪が降っていてとても寒い。国土も、雪の山岳、雪原と雪国、氷原、といった構成になっている。国土が割と広い割には、自然環境が厳しく、人が住める場所が限られているため、人口は他国と比べて少ない。

【気候】【文化】

・一年中が冬であり、雪景色であることが大きな特色として挙げられる国だが、それ以外にも、神秘的な北の大地としても有名。創世記後、マギ・ジスからハイランダーズへ、そしてノーザンランドへ、と移住した人たちが先祖。しかし、人間たちがこの地にたどり着く前から、神秘的存在は活動をしていた。吸血鬼の城があったり、邪神がいる塔があったり、怪物が住み着く森があったり、ゴーストタウンがあったり、闇の精霊の洞窟があったり、などと何かと不気味なことが多い大地。

・さすがに一年が極寒の冬であるので、移住地としては一部のマニアを除いてあまり人気がない。しかし、観光スポットとして、雪国博物館、スキーやスノボ、登山、温泉、神秘巡りなどのレジャーはそれなりに栄えている。

【大学】

・ノーザンランドには、唯一の学術機関である、ノーザンランド大学がある。この大学の前身はノーザンランド宗教学校。古代より、レヴィゼル教を布教していた宣教師たちが建てた学校でもある。やはり宗教学が最も強い大学。また、ノーザンランド大学は北国の大学なだけあって、北、冬、雪に関する研究は何でもある。北国の文化研究、氷系魔術の研究、冬場の戦争研究などが盛ん。また、神秘的存在が周辺にたくさんいる国家でもあるので、神秘学も抜群に強い。

【政治体制と国民性】

・古代マギ・ジスによりもたらされた民主主義により、基本的に民主主義国家。しかし、この北国独自の功労者たちが成り上がった貴族の支配も強い。中には、吸血鬼が貴族をやっているとか、歴史を裏で動かした神秘たちが暗躍していたなど、不思議な噂も絶えない。

・ノーザンランドは古来より極寒の北国で雪国なので、その地でずっと生きてきた人間たちの国民性は、生真面目で厳格な気質。また、宗教国家としても発展して来た経歴があるので、信仰深いという特徴もある。なお神秘的な存在との接触はよくあるので、国民は神秘や謎といったものに対しても割と寛大で、理解がある。

【国家周辺】

・ノーザンランドの山岳を南西に下ると、ハイランダーズへ出る。そのまま秋の山岳を進めば、首都へ出る。ノーザンランド最北端は極寒中の極寒。寒さの危険地帯なので人は近づかない。また、ノーザンランドの端まで進むと、クレサント大陸(三日月状)の爪の部分に出る。爪の部分からは船が出ていて、三日月状の向かい側の爪の部分であるサウザンランドの港へ直行便で行ける。

・ノーザンランドは、北の独立にこだわる国家でもあるので、他の国家とはあまり親交がない。だが、隣国のハイランダーズとは、かつて共にレヴェイゼル教を布教した仲でもあるので、親交は割と今でも厚い。また、かつての宗教戦争でマギ・ジスに破れた経歴もあり、マギ・ジスを最大のライバル国家と認識している。実際に利権争いをしたこともあった。

【交通】

・国土に山岳、雪原、氷原などがあることから、魔術で動くスノーモービル(小型も大型もある)、魔犬のソリ、対雪専用の魔術車で移動することが多い国家。陸路が中心。飛行機、汽車、船もある。

【文化】

・ノーザンランドの食文化は、冬を持ちこたえる非常食や乾燥食が発達している。一年が冬なので、温かい料理には定評がある。例えば、雪国鍋、ノーザンスープなど。また、冬場を凌ぐアルコール度数が高い酒(ウォッカやウィスキー系)もうまいと評判。他にも、ピュアスノーを使った「伝説のかき氷」という食べ物もある。

【軍事力と警察力】

・ノーザンランドの軍事力は、マギ・ジスに匹敵するぐらいに高い。かつての敗戦経験や、対科学戦争の教訓で、今では高い軍事力を誇る。やはり冬場や雪山、水系や氷系魔術を使う戦略や戦術を得意とする。警察力も高く、また基本的に北の田舎なのであまり犯罪は起こらない。しかし神秘的存在による事件はよく起こる。

【シナリオ紹介】

 魔術と科学が統合されたハイ&現代ファンタジー世界、「マギ・ジスタン」へようこそ!
 マギ・ジスタン世界には、「クレサント大陸」という大きな三日月状の大陸があります。PLの皆様は、大陸内に位置する「五大国家」で主に冒険をすることになるでしょう。 ちなみに「五大国家」とは、「マギ・ジス」(世界の中心的な魔術国家)、「ハイランダーズ」(山岳国家)、「ノーザンランド」(北国)、「フレイマーズ」(砂漠国家)、「サウザンランド」(南国)の五つの国々のことです。(なお、大陸の外部に「イースタ大陸」という電脳都市の島国もありますが、そちらへ探索に行くこともあります。)
 PLの皆様は、マギ・ジスの首都に位置する学園都市を拠点として冒険を進めてもらいます。マギ・ジスには、聖アスラ学院といった初等部から大学部までの巨大学校がありますので、皆様は留学生などといった学院関係者になって、学院内外で起こる事件や事故に対応することになるでしょう。時には、学外の研究所、ギルド、神殿や遺跡、あるいは国外の機関や個人からの依頼も受けるかもしれません。言い換えると、このゲームは、サブクエスト中心の学園モノという奴ですね。
 マギ・ジスタン世界は、過去に二度の大戦(宗教戦争、対科学戦争)を経験していますが、現在、世界の脅威となる戦争や巨大な敵といったものは存在しません。「形の上では敵がいない」民主主義・自由主義が諸国家の基本方針となりますが、それでも世界を運営していくためには、時に起こる事件や事故への対応も必要となります。
 世界に警察や軍隊はいるものの、「マギ・ジス」の学校(特に聖アスラ学院)は、魔術師養成の学校ですから、代わりに学校側が事件や事故へ対処することもあります。特に学校側としては、皆様が将来、立派な魔術専門職になれるよう、事件や事故の現場へ向かい、解決に当たってもらいたいと考えています。時には、警察や軍隊すら手を焼く事件が発生することなどもあり、魔術専門職を目指すことになる皆様は、貴重な戦力として重宝されているのです。
 さあ、あなたも「マギ・ジスタン世界」へ旅立ち、魔術師養成の学院へ留学してみませんか?
 魔術と科学が融合しているファンタジー世界で起こる事件に事故、依頼の数々は、皆様のご登場を待ち受けていることでしょう。


【シナリオ登場キャラクター(NPC)紹介】

スノウ・ブロッサム

聖アスラ学院風紀委員長。大学部3回生。
大学部では、マギ・ジス文学を専攻する文学少女。


イラスト/真向十琉

コーテス・ローゼンベルク

聖アスラ学院風紀委員会副委員長。大学部2回生。
大学部では歴史学を専攻する歴史少年。


イラスト/真向十琉

ナイト・ウィング

27歳
聖アスラ学院が位置する地区の一角にある冒険者ギルド「ワスプ」で働くバーテンダー&コック。


イラスト/真向十琉

シルフィー・ラビットフード

見た目が小学生。
聖アスラ学院が所有する研究施設である「聖アスラ現代魔術研究所」で働いている調査隊隊長。


イラスト/真向十琉