ゲームマスター:夜神鉱刃
【シナリオ参加募集案内】(第1回/全3回)
近頃、聖アスラ学院風紀委員会の窓口が忙しい。 というのも、変な事件が次から次と舞い込んで来るからだ。 現在、昼の風紀委員室は会議中だ。 「ふう……。今日も、また、変な……事件ですね……。体育の時間に、校庭を走っていた男子学生たちの上に……ナメクジが、大量に、降って……来たようで。あと、美術の時間には……模写中、植物園の花が……笑い出したとか……!?」 赤い髪をくしゃくしゃと?きむしりながら、ため息をついているのは、風紀委員会副委員長のコーテス・ローゼンベルク(NPC)である。 「そうね。ここのところ、そんな事件ばかりね。先日は、食堂の方で学生がガムを踏んだら、ガムが爆竹になって破裂したとかあったわね。男子トイレの『バカ野郎』の落書きに間違って触れたら、バカ野郎って、怒鳴られた学生からの被害届もあったわね? さらに最悪なことに、図書館からも被害届がさっき届いたわ。あっちでは、『呪いの魔術札』という変な札が、整理中の本に貼られていたらしく、黒光りして大騒ぎになったそうね。いったい、今、この学院では、何が起こっているのかしら?」 緑の前髪を右手でいじりながら、早口で言葉を吐き出す風紀委員会委員長のスノウ・ブロッサム(NPC)も、変な事件の連続で穏やかではない心境だ。 「しかし、委員長……。唯一の救いは、この最近の事件は……どれも傷害事件や殺人事件には至っていない、ということです。ちょっとした悪ふざけというか……いたずらが、過ぎる事件では、ありますが……。それと唯一の手掛かりは、これらの事件は……どれも、『TM』という紙切れが、現場に落ちている……犯行メッセージがあることでしょうか……。まあ、TMって、なんなのか、よくわかりませんが……」 「コーテスの言うとおりだわ。傷害や殺人に発展していない分、まだマシな事件ね。そして、謎のTMからの犯行ってことで、一連の事件は繋がっているわ! でも、私たちは学院の風紀を守る者として、こういう悪ふざけを見過ごすわけには、いかないわ! ぜひ徹底的に調査して、犯人を捕まえて、こらしめてやりましょう!」 スノウが風紀の会議室で、拳を振り上げながらそう怒鳴った。他の風紀委員たちは、みんなで賛同し、「えい、えい、おー!!」と、一緒に叫ぶのであった。 *** 風紀委員会での会議があった翌日の放課後……。 「ふん、ふふふ、ふん♪ 今日も、レヴィゼル神曲の鎮魂歌でも弾こうかな♪」 白魔術学部二年生の女子学生、コットン・ホワイトハート(NPC)は、学院の音楽室でピアノを弾こうとしていた。毎週、この時間の放課後にピアノを弾くのが彼女の日課なのだ。コットンは、将来、立派な白魔術師を目指しているが、たまに息抜きで趣味の音楽に没頭することもあるのだ。 さて、彼女が弾き始めたとき……。 白い両手の指が鍵盤に触れ、押して音を出す、その瞬間……。 どかあああああああああああああああん!!!! ピアノが突然、爆発し、炎上した。 「きゃあああああああああああ、なにこれええええええええええ!!」 コットンは、反射神経は良い方だ。彼女は、爆発の瞬間、手を引っ込めたが、爆破に巻き込まれ、吹き飛ばされ、壁におもいっきり叩きつけられてしまった。 一方、見回りの風紀委員たちは……。 「おい、今、音楽室の方から爆撃音が聞こえなかったか?」 「ああ、女子の悲鳴も聞こえたぞ!」 「急ごう! 最近、変な事件が多いし!!」 「だね!」 風紀委員四人が急いで、近場で爆発した音楽室へ駆け込んだが……。 音楽室はピアノが軽く爆発したせいで、ピアノもろとも損壊していた。 そして、すすけた白魔術師のローブを羽織っている女子学生が壁に叩きつけられたせいか、ぐったりと倒れていた。 「君、大丈夫か!!」 「救助を急ごう!!」 「おう!!」 「あ、僕、一般学生が入ってこないように教室を封鎖しておきますね!」 「ああ、頼むぞ、トーマス!!(NPC)」 風紀三人が、部屋に入り、奥にいる彼女のもとへ駆け寄ると……。 三人は、被爆した女子学生の安否を確かめ、応急処置の回復魔術を唱え始めるが……。 ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! 「うひゃあ!!」 「どうした、トーマス!?」 仲間を心配している場合ではなかった。 強烈な火炎系爆発魔術が部屋へ打ち込まれ、風紀たちを襲う!! 「んなバカな!!」 「くっ!! 防ぎきれん!!」 「結界、間に合わないか!?」 『ぎゃああああああああああああ!!』 この後、トーマス以外の三人の風紀たちは、爆撃に飲まれ、吹き飛ばされ負傷した。 唯一の救いは、爆破前のぎりぎりのタイミングで風紀のひとりがコットンを身体でかばったので、コットンへの追加ダメージは軽症で済んだことである。 幸い無事だったトーマスは、この後、応急処置を施し、風紀の増援や保健委員会の救援を呼ぶことに尽力したので、死人が出ることは免れた。負傷した者たちは、保健委員会の魔導救急車に乗せられて病院へ搬送された。なおこの事件は、放課後だったので、ちょっとした騒ぎになってしまったことも記しておこう。 音楽室を去る前、トーマスは、現場で『TM』と紙に赤いインクで書かれた犯行メッセージを拾った。彼は、首を傾げながらも、手掛かりと思われる紙きれをスノウへ手渡すのであった。 これが、今回の事件での最初の傷害事件だった……。 *** 放課後、音楽室での一件があって以降、一度、風紀では緊急会議が開かれた。 会議では被害にあった風紀で唯一無傷であったトーマス・マックナイト(NPC)が事件の詳しい事情を説明し、今夜は夜通しで学院の警備をすることになった。 今夜の見回りに参加できる風紀の数は、スノウとコーテスを入れて十六人。 十六人体制でチームに分かれて見回りに当たることとなった。 四人で一チーム、つまり四チームに分かれて学内の各地へ分散することとなった。 トーマスは、風紀でも二年生であるし、去年から経験があるので、警備隊の隊長を任された。なおトーマスの警備隊には、スノウとコーテスはいない。スノウはスノウの警備隊で隊長をやり、コーテスはコーテスの警備隊で隊長をやっている。残りのチームは、完全なモブ風紀委員たちなので省略。 チームは、以下のように分かれた。 ・スノウの警備隊 → 図書館、聖堂、体育館、大講堂など。 ・コーテスの警備隊 → 食堂、裏庭、中庭、校庭など。 ・トーマスの警備隊 → 研究棟、実験棟、一般講義室など。 ・モブ風紀たちの警備隊 → 大学の外回りなど。 さて、時間が経ち、本日の夜の警備が開始された。 トーマスたちは、今、ちょうど研究棟のあたりまで見回りをしていた。 「いやあ、トーマスよ。夜の研究棟って、気味悪いなあ?」 「そうよね。トーマス、あんた隊長なんだから、先頭歩いてよ!」 「そうよ、そうよ! いざとなったらあなたの錬金術に期待するわ。私、白魔術しか使えないから!」 「あはは、みんな、大丈夫だよ! きっと何もなく終わるって、こういうのは!」 トーマスは先頭に立ち、魔導ランプを照らしながら、夜の静かな研究棟を歩き出す。 仲間たち三人も後に続き、恐る恐る、歩み始めるのであった。 *** ところで一般学生たちは、今、風紀委員会が総力をあげて夜の学校を警備していることなんてもちろん、知っているわけがない。 リリアン・ピンクドルフィン(NPC)は、とてもまじめな魔導動物実験室の学生だ。魔導動物学部は今年で二年目であり、バードマン研究室に所属している。先日のマギケットでは、バードマン先生や学生有志一同と共にスライムキングの同人誌を出したりもした。 さて、このリリアンだが、最近、スライムの合成実験にはまっていた。 バードマン准教授とウォルター教授が共同で使っている魔導動物実験室に新しい実験器具が入ったのだ。その器具とは、スライムと別のスライムを合成して、新しいスライムを作るいわゆる魔物の合成をするマシーンである。 リリアンは、この日を待ち望んでいた。 やっと研究室に入ったこの合成器具を使って、念願のスライム実験を、わくわくしながら日々、取り組んでいたのだ。 今夜は、研究がとてもはかどる夜だ。 今日は、学校の研究室に泊まっていくつもりなので、徹夜で実験をするのである。 「うふふー。いよいよ私の時代が来ましたね! スライムキングを超える、はぐれスライムキングの実験がついに完成間際なのです!! はぐれスライムキングが完成した暁には、今度のマギ・ジス魔導動物学会で発表してやるのです!」 リリアンは上機嫌で、青いスライムや赤いスライムや緑のスライムや黄色のスライムを実験器具に放り込み、マシーンのスイッチをいじっていた。 そのとき……。 『ぱちり!!』 『え? ん? なにこれ……。きゃああああああああああああ!! 助けてえええええええええええ!!』 どういうわけだか、別種の魔導装置が発動してしまったのだろうか!? 実験室には今まで置いてなかったはずの魔導科学機材が起動! リリアンは、実験に夢中になりすぎていて、 見慣れない変な形をした機材の存在に気がつかなかったらしい 「うへえええ……力が、魔力が……!!」 怪しい機材は小さなUFOに似ている。 UFOは、ぷかぷかと浮き出したかと思うと、魔法陣を召喚して、部屋全体を怪しい魔力で満たしたのだ。 (くっ……。HP/MP吸収の魔術ですね、これ!! ん、もう、だめ……) リリアンは、相手の魔術の正体を突き止めたが、力尽きて、そのまま倒れてしまった。 *** 時は少し遡(さかのぼ)る。 トーマスの警備隊が魔導動物実験室に差し掛かった頃……。 『え? ん? なにこれ……。きゃああああああああああああ!! 助けてえええええええええええ!!』 突然の悲鳴が実験室から響き渡った。 「おい、トーマスよ、やばいぞ、これ!! 急げ!!」 「そうだね! でも、四人全員で一斉行動って危険じゃないかな? そうだ、僕がここに残るよ! 外を警戒しておこう!」 「わかったわ、トーマス! 外から敵が来ないか見ておいてね!」 「さあ、お話は終わり!! 救助に急ぐわよ!!」 こうして、トーマスが実験室の前で見張りをし、残りの風紀三人が部屋へ雪崩れ込んで行くと……。 「きゃあ! あそこで女の子が倒れているわよ!」 「早く助けなきゃ!!」 「しかし、なんだこの魔力は!! 早く換気しよう!」 風紀たちが救助や換気に急ごうとすると……。 天井でタコのように吸い付いていたUFOが再び、ぷかぷかと浮き出し……。 怪しい魔法陣と共に、こんもりとした魔力の霧が風紀を襲った。 「ぬぬっ、不覚!! 体と魔力に力が入らねえ……!!」 「解除魔術を……う、魔力が、切れて、もう、だめ……」 「きゃあああ、トオオオオマアアアアスウウウ!!!!」 三人は、一瞬でHPとMPが切れて、その場でぐったりと倒れてしまった。 「どうした? みんな、大丈夫か!!」 トーマスが急いで来た頃には、事は終わっていた。 仲間がやられたことを確認したトーマスは、急いで増援や救援を呼ぶ。 魔術携帯電話を取り出し、スノウへ連絡を入れる。 『もしもし、スノウ委員長ですか? こちら、トーマスです。……ええ、次の被害者が出た上に、仲間が三人ともやられてしまいました! 早く増援と救援をお願いします! 犯人はまだ近くにいるかもしれませんし、それに仲間を捨てて行けませんので、僕はここで見張っています!!』 そんな慌てている風紀たちのもとへ、怪しい影が……。 「おや? 何の騒ぎですか!? あれ、あなたのその腕の紋章は、風紀ですね? うちでまた何か事件でも?」 そう言ったのは、魔導動物実験室で准教授をしているフレドリック・バードマン(NPC)であった。 「ええとですね……」 てんぱっているトーマスは、事のいきさつを簡単に、バードマン先生に説明した。 「なんと、まあ!! ちょうど実験室に忘れ物があって通りかかってみれば、なんということでしょうか!」 そして、トーマスとバードマン先生は、二人ならば大丈夫だろうと高をくくり、実験室へ入室した。 倒れているリリアンや風紀仲間三人に回復魔術を施し、一命を取りとめたようだ。 数分後、臨時の保健委員会とスノウたちがやってきて、事態はひとまず収束した。 保健委員会には魔導救急車を召喚してもらい、ケガ人を病院へ搬送してもらった。 風紀委員長が実験室を去ろうとすると、一枚の紙切れが落ちていたのが目に留まった。 「なにかしら、これ?」 スノウが手に取ると、紙には赤いインクでこう書かれていた。 『TM』 「TMって……!? また、TM!? なんなのよ、もう!!」 *** 昨日は、風紀委員会にとって最低最悪の日だった。 謎の傷害事件が二件立て続けに起こり、仲間の風紀が合計で六人も負傷して入院してしまった。 しかも犯人あるいは犯行メッセージのTMとは、未だにさっぱりわからないままだ。 翌朝、風紀委員会は臨時の会議を開くことになった。 会議が始まるや否や、コーテスが急いで挙手した。 「スノウ委員長に皆さん……。事件は、案外、早く、片付くかもしれません!」 スノウは怪訝(けげん)な顔で質問した。 「どういうこと? 犯人の目星でもついたのかしら?」 いいえ、とコーテスは首を振った。 「これを、見てください。この手紙は、今朝、風紀委員会への匿名の事件依頼箱から回収して来たものです……」 手紙には、こう書かれていた。 『親愛なる愚鈍な風紀委員会諸君へ やあ、お疲れさま。 なかなか事件に手こずっているようだね。 私は、TM。この一連の事件の犯人だ。 君たちの調査、なかなか愉快なところをたくさん見させてもらったよ。 だがね、君たちは邪魔なんだ。 そこで提案がある。 私と君たちで決闘しないかい? 今夜十一時に聖アスラ学院のどこかで会おう。 なお、来るメンバーは現行の風紀委員会の委員のみだ。 先生や警察とかに言いつけたら、決闘は中止だ。 いいかい? これは、私と君たちの決闘だ。邪魔が入ってはならない。 では、諸君らの賢明なご判断をお待ちしているよ。 君たちの天敵TMより』 コーテスが手紙を読み上げると、風紀委員会はざわざわと荒れた。 スノウが、こほん、とせきをして、場を鎮めた。 「なかなかむかつく犯人ね、TMっていう人は! でも、これって、チャンスじゃないかしら? 相手の挑発にわざと乗ってみない? こっちは人数がいるわ。現行メンバーだけでも数が十分じゃないかしら? 決闘を受けて、TMを鎮圧してみてはどうかしら?」 スノウの提案に、風紀一同は、再びざわめきだした。 確かに、そういう作戦もあるが、危険な賭けでもある。 「ええと、現行メンバーですが……。今夜、どれぐらい、集まれるかな? ただ、普段の風紀業務とか、諸般の事情の書類とか、犯行現場の二十四時間体制の見張りとか、いろいろありますので……。ここにいる全員で向かうのは、難しいかと……」 コーテスが渋々そう言うと、スノウは仲間たちにアンケートを求めた。 「今夜、来られる人! 手を挙げて!」 手が挙がったのは、八人だ。 スノウとコーテスを入れて、十人だ。 「え? これだけ? 普段の業務対応、書類対応、見張り対応などのメンバーは外すとして……。最低でも、もう十人程度は……」 コーテスがたじろいでいると、風紀のヒラ委員がひとり、手を挙げた。 「おい、コーテス。わりいが、俺、降りるわ。今回の事件、俺らには分が悪すぎるんだよ。てか、TM強すぎね? 白魔術学部や魔導動物学部の優等生が倒された上に、仲間の風紀も六人やられてるんだぜ? 何も無理して俺らでTM捕まえなくてもよくね? それこそ決闘なんて受けねえで、先生か警察に言えば? じゃ、そういうことで!」 「あ、すまん。僕も降りる。今回はさすがに手に負えないから」 「私も! 命の方が大事だよ!」 「あたしも! 悪いけれど、風紀委員会で殉職する気ないんで。あたしら学生だし」 「そうだ、そうだ!! 風紀に負える事件じゃねえ! てか、スノウ、俺らを殺す気か!!」 そこまで会議室が荒れると、スノウは、机に魔術書をどかんと、叩きつけて、出て行く風紀委員たちをにらみつけた。 「そう……。あなたたち、風紀なのに、逃げるのね!? いいわ、好きにしなさい! 残りのメンバーだけでやるから!!」 荒立つスノウの肩をコーテスが、ぽんと叩いた。 「スノウ委員長……。僕は、ついて行きます!!」 「委員長、僕も夜の決闘に出ます! この際だから、みんなの仇を取って、事件も解決しちゃいましょう!」 トーマス・マックナイトも意気込んでいた。 こうして、挙手した八人と共に、スノウとコーテスは夜の決闘に臨むのであった。 *** 夜の決闘は、場所が聖アスラ学院のどこかで、時刻は十一時。 それしか情報がわからないので、この夜も風紀はチームを作って分散することにした。 風紀は全部で十人いるので、二人一組に分かれ、五組で学院を見回ることにした。 TMがどの程度強いのは正確にはわからないが、この人数だ。 五組といっても、ペア行動なので、あまり散らばらないようにした。 大きく分けて、スノウペアともう二組が研究棟、実験棟、図書館、聖堂、体育館、大講堂、一般講義室などを回る。 一方、コーテスとトーマスのペア、そしてもう一組は、食堂、裏庭、中庭、校庭などを回ることになった。 (前二件の傷害犯行現場には、二十四時間体制で見張りの風紀たちを残している) さて、時刻はそろそろ十一時を回る。 コーテスとトーマスは、裏庭を見回っていた。 「あの、コーテス……。話がある……」 「ん? なに、こんなときに?」 「その、言いにくいんだけれど……」 「うん?」 「トイレ、行っていい?」 「え? トイレ? って、ここ裏庭だから、ないよ?」 「だね。その辺の茂みで小の方をやりたいんだけれど……」 「そうだね。そうなるね。いいよ。じゃあ、待っているから……早くね」 トーマスは、相方の許可を取って、そそくさと茂みへ入って行った。 (ははは……。ったく、トーマスは緊張感がないよな……。いつものことだけれど……) コーテスが、茂みの方を遠目で見ていたそのとき……。 ガサゴソ、ガサガサ、ガサ!! 「ん? トーマス? 終わったの?」 副委員長が少しだけ油断していたそのとき、陰から目に見えない何かが猛烈な勢いで飛び出した! (むむっ!! 来るぞ!! バリア!!) 相手の正体がわからない。 もちろん、相手の攻撃手段もわからない。 物理攻撃でも魔術攻撃でも防げるように、コーテスは最大出力で、「ハイランダーズ・バリア」を高速詠唱して張り巡らせた。 (ふふ! 全校で補助魔術の……学力一位で奨学金まで取った……僕のバリアに、防げないものなど……この世にない!!) コーテスは迫りくる魔術攻撃に自信満々の笑みで防いだ。 いや、防いだ「つもり」だった。 彼が体内に張り巡らせた深緑色の魔術結界は、いともたやすく、突破されてしまった! 『ええええええええええええええ!? うそだあああああああああああああああああ!!!!』 どかあああああああああああん、どかどか、どか、どかあああああああああん!!!! 派手な爆発音と共に、コーテスは全身に爆撃を受けて、勢いよく吹き飛ばされた。 *** 付近で激しい爆撃音が響き渡った。 爆撃音の少し前には、コーテスらしき男の叫び声も轟(とどろ)いていた。 トーマスは、異常事態をすぐに察知した。 小を終えた彼は、急いで、コーテスのもとへ走った。 「コーテス!! どうしたの!? って……。おい、うそだろう!? 待ってろ、今、助けるから!!」 トーマスは、錬金術の治癒魔術を唱え、コーテスの回復に努める。 だが、負傷が激しく、一向に魔術が効かなかった。 彼は魔術携帯電話を取り出し、連絡を急いだ。 スノウや他の風紀、そして臨時の保健委員会が駆けつけた頃……。 トーマスの応急手当で一命は取りとめたものの、ぼろぼろに負傷しているコーテスは動かないどころか、目を開けることすらできなかった。 「ううっ……。コーテスまで……。私が、こんな挑発に乗らなければ……。自分が許せない!!」 スノウの瞼(まぶた)に熱いものが宿り、その水滴は静かに流れ落ちた。 コーテスは保健委員会の魔導救急車に乗せられて、病院へ運ばれた。 スノウの戦意が喪失しているのを確認した一同から、トーマスが立ち上がった。 改まった口調で、彼は提案をする。 「皆さん。調査は、ここまでにしましょう。コーテスがやられた今、スノウ委員長の戦意が挫(くじ)かれた今、僕たちにできることは何もありません。やむを得ない提案ですが、TMには降参しましょう……」 提案に対してスノウは、首を横に振るのだった。 「私は……降参なんてしないわ! こちらには、まだ、切り札があるわ! 異世界人たちよ! 風紀がピンチのときに助けに来てくれる異世界人たちがまだいるわ! 明日の朝、異世界人たちを集めて、風紀メンバーの再編成を図り、改めて会議を行いましょう。事件の調査は明日からが本領発揮よ! きっと逆転して、TMを捕まえてみせるわ!!」 ……以上が、「3番目の魔術師事件」が起こったあらましである。 異世界人の皆さん、どうか風紀委員会の力になってあげて頂きたい。 そして、学院の風紀を乱す謎の犯人TMの正体を暴き、捕まえてもらいたい。 健闘を祈る。 |
【解説】
このシナリオは、全三回のミステリシナリオとなります。 第1回の今回は、調査編となり、皆さんに事件の調査をして頂くことになります。 (第2回は、みんなで推理合戦して真相を突き止めます。第3回は、まだ秘密です) さて、調査編ですが、今回、皆さんが調査できる範囲は主に・・・。 ・容疑者1の調査 ・容疑者2の調査 ・容疑者3の調査 ・被害者1の調査と現場検証 ・被害者2の調査と現場検証 ・被害者3の調査と現場検証 ・上記以外のちゃちな事件の調査 ・スノウを疑う ・一般風紀の調査 ・一般学生や一般スタッフの調査 ・その他ルートの調査 11か所の選択肢が「アクション」で選べます。 以下、全11か所の補足的データを提示します。 まず、容疑者1から3ですが、スノウは以下のように情報を集め、推理しました。 ●容疑者1の調査について 容疑者1=ブラスト・ゴールドブレイズ(黒魔術学部二年生) 特徴:金髪碧眼の王子様みたいな外見だが、性格がきつい。 この事件の起こる少し前、コーテスが補助魔術の学力で表彰されました。 補助魔術で学内1位のランキングを取り、奨学金までもらいます。 そのコーテスが本気で張ったバリアを軽々と突破できる人物は、同じく、攻撃魔術で学内第1位のランキングを取った学生、という推理ができるからです。(スノウは当時の戦闘現場を見ていませんでしたが、状況証拠やトーマスの証言から判断してそう考えました) ちなみにブラストは、頭が良くてプライドも高いです。 ブラストは、補助魔術も1位を取るつもりでしたが、コーテスに負けて2位でした。 「コーテスを倒してやる」とよく言っていたので、一応、動機もありえます。 調査では、彼から話を聞いたり、彼の周辺を調べたりします。 ●容疑者2の調査について 容疑者2=サンダー・フロッグスタイル(魔導科学部三年生) 特徴:ピエロみたいな恰好のお調子者。ピエロ姿は彼の正装。 この学生は、日ごろからいたずら好きで、よく変な魔術トラップや爆弾を作って人を困らせて楽しんでいます。 今回の事件も彼がやったのではないか、とスノウは推理します。 彼ならば、事件で登場した程度のトラップ作りは、お手の物だからです。 動機は、愉快犯といったところでしょうか。 調査では、彼から話を聞いたり、彼の周辺を調べたりします。 ●容疑者3の調査について 容疑者3=トーマス・マックナイト(錬金術学部二年生、風紀委員会のヒラ委員) 特徴:茶髪のややロン毛で青い目。中肉中背。軽そうだが、割とまじめ。背広姿。 この学生は、錬金術学部でマープル先生ゼミの弟子です。魔術の腕前は並み程度で、性格もおとなしい感じです。 トーマスの行動に注目してスノウは彼を疑いました。風紀委員会の仲間たちが被害にあったとき、いつも彼が現場にいたからです。しかも毎回、無事に生存しています。 コーテスが爆撃されたときも、見回りでコーテスと一緒にいました。彼がトイレに行っている間、コーテスがやられました。しかし、動機が不明です。 調査では、彼から話を聞いたり、彼の周辺を調べたりします。 そして次に被害者の状況ですが、以下のようになります。 ●被害者1の調査と現場検証 被害者1=コットン・ホワイトハート(白魔術学部二年生)小型爆弾で被害を受ける 特徴:さらさらの長髪の銀髪で紫の目。お嬢様スタイル。聡明で優秀。 最初の被害者は、白魔術学部の女子学生。音楽室でピアノを弾くのが日課です。その日も放課後にピアノを弾こうとしたとき、小型爆弾が作動し、爆発し、被害を受けました。 爆発を聞きつけた付近の風紀委員たちも、急いで現場へ駆けつけました。風紀たちは被害者のそばまでたどり着くや否や、背後から強烈な魔術攻撃を受け、負傷しました。 放課後なのでちょっとした騒ぎとなり、魔導救急車で病院へ運ばれました。 調査では、病院(聖アスラ学院医学部付属病院)にいる彼女から話を聞いたり、彼女の周辺を調べたりします。また、犯行現場である学院の音楽室は風紀により封鎖されていますが、現場検証もできます。 ●被害者2の調査と現場検証 被害者2=リリアン・ピンクドルフィン(魔導動物学部二年生)魔術トラップで被害を受ける 特徴:ピンク髪のお団子頭で黄色い目。魔導動物の萌えロゴが入ったローブを着ている。しゃべり方がおもしろいが根はまじめ。 第二の被害者は、魔導動物学部の女子学生。最近は、スライムの合成研究に没頭していました。 その日も、スライムの合成を実験するため、魔導動物研究室で実験をしていたところ、いきなり謎の魔術術式が機材から発動し、HPとMPを吸われて、死にかけました。 彼女が助けを叫ぶところを通りがかりの風紀委員たちが聞き、実験室へ入りますが、同じく、魔術トラップにはまりました。 瀕死になったリリアンと風紀三人は、被害を免れたトーマスと研究室に偶然立ち寄ったバードマン先生によって救助されました。そして、魔導救急車で病院へ運ばれました。 調査では、病院(聖アスラ学院医学部付属病院)にいる彼女から話を聞いたり、彼女の周辺を調べたりします。また、犯行現場である魔導動物実験室は風紀により封鎖されていますが、現場検証もできます。 ●被害者3の調査と現場検証 被害者3 コーテス・ローゼンベルク(文学部二年生、風紀副委員長)が魔術攻撃の被害を受ける 特徴:立っている赤髪に長身、黄金の目。性格はおっとり系だが、熱い一面も。普段はみんなの人気者?の風紀副委員長。ハイランダーズ国家の魔術師ローブを着ている。 TMからの果たし状を受けるべく、夜の警備をしていた風紀たち。その最中に、コーテスが事件現場(学院の裏庭)で被害を受けました。 謎の魔術師から受けた奇襲攻撃をバリアでガードしたところ、全力でガードしたつもりが、大けがしてしまいました。 コーテスが敵と対戦していた当時、一緒に見回りしていたトーマス・マックナイトはトイレに行っていたようです。 彼は、小をしている最中、爆撃音を聞き、驚いて駆けつけたところ、コーテスが瀕死でした。トーマスは、急いでスノウ委員長に知らせ、応急手当をしました。 瀕死のコーテスは、スノウと一緒に来た保健委員会の魔導救急車に乗せられて病院へ運ばれました。 調査では、病院(聖アスラ学院医学部付属病院)にいる彼から話を聞いたり、彼の周辺を調べたりします。また、犯行現場である学院の裏庭は風紀により封鎖されていますが、現場検証もできます。 ●上記以外のちゃちな事件の調査 上記の傷害事件に発展する前までは、学院内でちゃちな事件が起こっていました。 以下の事件を調べることもできます。 ・食堂付近でガムを踏んづけたら、ガムが爆竹になった。 ・男子トイレの落書き「バカ野郎」に触れたら、バカ野郎と怒鳴られた。 ・体育の授業中、走っている学生たちの上からナメクジが大量に降ってきた。 ・学院の植物園の花が、美術の授業中に笑い出した。 ・図書館で「呪いの魔術札」という変な札が本に貼られていて、黒く光りだした。 など、些細だけれど、被害は傷害事件ではない。 ●スノウを疑う 真逆の発想ですが、事件の記述者(そして上記の情報を集めた)スノウを疑うこともできます。 なお、この選択肢は、「スノウと一緒に事件を調査する」ではなく、スノウ本人を調べるという意味です。 ●一般風紀の調査 今回、一般風紀(いわゆるモブたち)も事件現場に駆けつけた際に被害にあっています。 現在は、病院(聖アスラ学院医学部付属病院)にいます。 それぞれ、第一の事件で三人が負傷、第二の事件で三人が負傷、計六名が負傷しています。 この負傷した風紀委員たちから話を聞くことができます。 あるいは、負傷していないその他風紀のモブたちからも話を聞くこともできます。 ●一般学生や一般スタッフの調査 今回の事件で名前があがっていないモブの学生(聖アスラ学院生)やスタッフたち(聖アスラ学院の先生、事務、警備など)から話を聞くことができます。 あるいは、今回の事件では容疑者でも被害者でもないけれど、学院にいる名前があるNPCから話を聞くこともできます。 例:マープル先生、ウォルター先生、学院の門にいる守衛さんなど。 ●その他ルートの調査 上記までの選択肢であげたルート以外からも調査はできます。 その場合、別ルートになるので、「アクション」では詳しくお願いします。 |
【予想されるQ&A】
Q1:初参加ですが、このシナリオへ参加してもいいでしょうか? あと、注意点とかありますか? A1:可能です。どなたでも参加できます。今回はミステリシナリオの調査編ですので、上記11か所の選択肢から何かを選び、詳しく調査してみましょう。「アクション」は、800字ありますので、字数以内で効果的な調査を考えて、取り組んでみてください。800字は、多いようで少ないです。800字フル活用は、PBWの良い訓練になると思います。 Q2:選択肢が多すぎます。とても自分のPCたちだけではカバーできません。どうすれば? A2:今回は、チームプレイやチームワークを発揮できると案外、楽にクリアできる?シナリオかもしれません。この「募集案内」の下の方にある「掲示板」に入って、参加仲間たちと作戦を立ててみてはどうでしょうか? 一人のPLさんに全ての選択肢を押さえて欲しいわけではありません。打ち合わせをした上で、仲間たちで分散して調査すれば、けっこう広範囲の調査が期待できると思います。 Q3:最初の二件の被害者たちや、巻き込まれた風紀や、コーテスがいる付属病院の病室はどの辺ですか? また、彼らは何科に入院していますか? A3:リリアンとそこで巻き込まれた風紀たちは、HP/MP吸収により、心身の消耗がひどいので付属病院4Fの内科病棟にいます。他の被害にあった者たちは、附属病院の3Fにいます。身体の外部をケガしているので、外科病棟にいます。 Q4:激しく負傷したはずのコーテス。その彼が、なぜ、第1回のアクション/リアクションの時点で復活していて、会話ができるのですか? A4:コーテスは、いわゆる不死身キャラです。回復力も大変高いです。 Q5:事件調査にあたり、張り込みをする際に、あんぱんやミルクが必要なのですが、学院の売店で売っていますか? A5:今回のシナリオでは、ショップは登場しません。ですが、あんぱんやミルク程度であれば、学院の売店で買ってもいいです。(「アクション」では、そういう設定で書いておいてください) Q6:選択肢11番目のその他ルートですが、この選択肢では、学院の外部へ出てもかまいませんか? 例えば、思うことがあって、ワスプや現代魔術研究所を訪れるなどの「アクション」は可能ですか? A6:かまいません、可能です。ワスプや現代魔術研究所以外の場所やNPCに接触することも許可します。 Q7:第1回は調査編ですが、調査以外の活動もやっていいですか? A7:なるべく、11か所ある選択肢のどれかを選んで、調査に参加するようにお願いします。推理や今後の対策など、詳しくは第2回でやります。(第2回の「募集案内」でまた詳細をお知らせします) Q8:第1回の調査編では、調査の時間制限はありますか?(例えば、夜の学院には入れないなど) A8:PCさんたちの調査開始日の朝からその日の夜が終わるまでを一応の制限時間とします。学院は許可を取れば夜も入れます。ただ、三日連続で張り込むとか、そういう時間制限を超えた「アクション」は取れません。時系列的には、調査編の翌日を第2回の推理編という予定で考えています。 Q9:第3回では、何をするのですか? 秘密って!? A9:まあ、事件推理後にやることですので、始末的な何かでしょうね。(第3回の「募集案内」でまた詳細をお知らせします) Q10:第2回でPC全員の推理が外れた場合、NPCたちが推理して解明してしまうって、ペナルティなんですか? A10:本来なら、PBWの主役はNPCではなくPCです。ですので、NPCに美味しいところを持っていかれる、というのは、十分なペナルティでしょうね。(下手にやり直しやゲームオーバーになるよりきついかもしれません) |
【参考イメージ】注意:写真は飽くまでイメージです。実物の商品・実際のサービスとは異なることもございますので、あらかじめご了承ください。
【聖アスラ学院】 解説:マギ・ジスタン世界へ参加しているPCの皆さんのほとんどが学ばれている学校、聖アスラ学院です。聖アスラ学院は魔術に関しては、世界のトップレベルの学校です。古くは、魔術勢力と科学勢力が戦争をしていた時代に起源が遡ります。本校は、科学勢力に勝利した後、当時の魔術師のトップであったアスラが魔術による世界の平和を願って創られた学校です。同じくマギ・ジス国内にあるマギ・ジス大学(旧科学勢力の牙城)とは特にライバル校の関係にもあります。「聖」と名前が付く学校なだけあり、ミッション系の学校であり、マギ・ジスタン世界の神であるレヴィゼル神の影響を強く受けた学校でもあります。学校は、幼稚園から大学院まであり、学部数も無数にあるマンモス校です。参考写真は、当大学の図書館です。 【風紀委員会】 解説:聖アスラ学院には、風紀委員会が存在します。魔術教育による優秀な人材を世界へ輩出することを目的とした聖アスラ学院は、学生のうちから職業訓練を施します。風紀委員会という場も、学生たちが自分たちの手で学校の治安を守れるようになるため、将来の職業訓練のため、創設された委員会です。この学院で正規・非正規・協力者にしろ、風紀のメンバーになれた者には、事件の捜査権限が与えられます。風紀委員になると、普段はみんなが入れないところに入れたり、逆に入場を封鎖したり、といったこともできます。ぜひ皆さんも風紀に加わり、聖アスラ学院を脅かす謎の事件を解決に導いてください。 【ミステリシナリオ】 解説:PBWの基本的なシナリオとは、イベントシナリオと戦闘シナリオの二つを指す。と、あるPBWで学びました。ミステリシナリオもあることにはあるのですが、既存のPBWでは、そう頻繁に見かけることはないですね。しかし、バウムサイトでは、やります、ミステリシナリオ!! と言いましても、そこまで摩訶不思議なシナリオではありません。基本は、ひたすら、調査と推理です。たまに戦闘もありますが。ぜひジグソーパズルみたいに、ピースを集め、組み合わせ、事件の全体像を紡いでみましょう! |
【アクション案内】
y1.容疑者1(ブラスト)を調査する y2.容疑者2(サンダー)を調査する y3.容疑者3(トーマス)を調査する y4.被害者1(コットン)と犯行現場(音楽室)を調査する y5.被害者2(リリアン)と犯行現場(魔導動物実験室)を調査する y6.被害者3(コーテス)と犯行現場(裏庭)を調査する y7.ちゃちな事件を調査する y8.スノウを調査する y9.スノウやコーテス以外の一般風紀委員を調査する y10.学院の一般学生やスタッフなどを調査する y11.その他ルートを調査する |
補足1:「アクション」選択の時点で、今回は推理力が必要となります。上記の選択肢の多さは、「たくさん課金してください」という意味ではありません。「必要な情報と不必要な情報の取捨選択をしてください」という意味です。
補足2:第1回が大変ですが、第1回の調査次第で、事件の真相や今後の対策を推理する推理編(第2回)が楽になります。仮に第2回の推理編でPCさんたちが真相にたどり着けなかった場合、コーテスとスノウが推理して真相を明かします。(やり直しやゲームオーバーという意味でのペナルティはないです)
補足3:参加PC数が10人以下だったとします。すると、選択できなかった「アクション」選択が複数残ります。その調査には、スノウなどのNPCが行います。(「リアクション」にはスノウが調査しているシーンなどは書かないと思いますが)
補足4:このシナリオは連続シナリオですが、任意の回のみ参加することもできます。
【マスターより】
大変お久しぶりです。去年(2016年)の11月にマギケットのシナリオを出して以来でしょう。年末年始も他のGMたちはシナリオを出していましたので、PLの皆さんの多くも、年末年始はPBWで遊ばれていたのでしょうか。僕は別の仕事があり、年末年始もしゃきしゃきと働いておりました。さて、復帰早々、ミステリシナリオの開幕となりました。ミステリシナリオを出すのは、実に何年ぶりでしょう。僕のデビュー戦が確か、ミステリシナリオでしたが、そのとき以来ですね。しかし、ミステリシナリオの腕は落ちていません! ちょくちょくとミステリ成分は補給していますので。(何だかんだ言って、トリックとか推理シーンとか面白いですしね)今回は、前回(初回)の「お化け退治作戦」よりも強化して参りました! 調査編が当社50%比ぐらいで(適当です)豊富になっております。ぜひ、あなたもシナリオに参加されて、名探偵ぶりを発揮してみてください! 「リアクション」では、カッコ良く描かせて頂きます。でも、「ジッチャンの名に賭けて! 真実は、いつも一つ! 勝ち続けるよりも負けて立ち上がる方が尊い時もある! 犯人は、この中にいる、犯人は、おまえだ!!」は、次回のお楽しみです。 補足:ミステリーシナリオの初回につき、PCさんたちの先行登場は控えました。 |