「モアの金色の歌声」

ゲームマスター:大木リツ

【シナリオ参加募集案内】(第3回(最終回)/全3回)

 目覚めたモアはシャルティースの体を借りて過去に飛ぼうとしていた。過去には魔獣ウテルの弱点である心臓があり、モアの力が宿った実の果汁を飲み歌を歌う事が必要である。
「ですが、私一人の歌の力では無理です。過去へ飛ぶのに半分以上の力を使ってしまいます。なので私と一緒に付いてきて下さる方が必要なのです」
 モアの力だけでは心臓をウテルの体に戻す事が不可能であった。なので、誰かが一緒に過去へ飛び歌う事が必要だ。しかし、他にも歌わなければいけない場所があった。
「心臓を戻す事にウテルが気づかない筈がありません。なので、危険な役目なのですが…ウテルに向って歌を歌って下さる方が必要なのです。そうすれば、抵抗するウテルの力が弱体化する事でしょう」
「なら、私が歌うよ!過去ではモア様だけど、シャルティースが歌ってくれるもん!」
 モアの申し出にコリーが受けたが、コリーだけではウテルの力を抑えられないだろう。他の歌い手もまだ必要であったが、果汁は数人分しかない。街人達は歌で貢献が出来ないだろう。少数精鋭、歌の上手い者達が歌う事が必須であった。

 一方、魔物の大半が離反した魔獣ウテル軍は殆どが丸裸にされてしまった。残ったのは千体以下の魔物と二百体以下の魔獣子ウヨンだけだ。
「人間共め姑息な手で俺様の軍を削るとは…許しがたい!」
 数で追い詰められた魔獣ウテルが怒り、力を増幅させる。時が進む事により、力が増すウテルの体は10mを超え、昔の力が蘇ってきた。強靭な足で高く何度も飛び本隊に急接近してくると、口から紫の霧を吐き出す。その霧を浴びた騎士達の鎧は錆て朽ち果て、騎士が急に老けたのだ。
 その光景を見ていた騎士団長サバスはいてもたってもいられず、単騎でウテルに突撃して行った。
「己、魔獣ウテル!良くも私の同胞を!」
「ハハハハッ!お前も老いてしまえ!」
 立ち向かったサバスも紫の霧の餌食になり、老いてしまった。
「この霧を浴びた物や生き物は50年過ぎた姿に変わり果てるのだ」
 年を取る紫の霧を目の前に本隊は後退していく。その間にウテルはボントリー山岳にいた火吹き飛竜二体を呼び寄せ、紫の霧をかけた。すると飛竜は急激に成長し凶暴性を増し、その火は岩をも溶かす高熱の火に代わる。
「モアは壁を作り魔物から街を守ったつもりだろうが、俺様の特別製のウヨンはそんなものになど負けやしない」
 ウテルは今度は50体の赤いウヨンを生み出し、街へと向かわせた。
「今度はウヨンは殺せば爆発する特別製だ!しかも、そのウヨンも俺様と同じ紫の霧を吐き出すぞ!」
 新たに生み出されたウヨンは倒せば半径100mを爆発させる力を持つ。しかもウテルと同じ紫の霧を吐き出す為、容易には近づけない。壁を強引にすり抜け、多少足が遅くなるがウヨンは少数でバラバラになりながら街を襲ってきた。
 その事にモアが気が付き、助言をする。
「ウヨンにも歌の力は効きますが、歌が届かなければ意味がありません。歌の力で爆発は半分以下に抑えられますが…多少の犠牲を払う事になるでしょう」
 歌の力で爆発は抑えられるが、それでも周囲への被害は避けられなかった。

 モアが目覚めたが状況は悪化するばかりだ。この窮地に異世界の者達はどう判断し行動するだろうか?それら次第でトイ街や王国の行く末が変わるものになるだろう。

【アクション案内】

r1.○○と戦う
r2.モアと過去に行く
r3.歌の力を宿して歌う
r4.街を守る
r5.その他

【マスターより】

 今回も遅くなってすいません。今回の話で「PBMは面白いなー」ってつくづく思いました。アクションって奥深いものですねー。
 さて、更に雲行きが怪しくなってきました。この窮地で光るアクションを心待ちにしておりますね!今回も活躍により報奨金が出ます。敵を倒したり、街を守ったりした方ですね。上手くすれば街に銅像なんかも建っちゃいます(笑)。
 では、次回が最終回のアクションです!全力でお待ちしておりますー。