ご機嫌いかがですか?
ワタシは、ロブ・ロナン。
辺境にて軍事警備会社をやっている者です。
そちらの世界の方とこうしてお会いできるようになって光栄です。
……おっと、
お仕事の話ですね。
実は、さる星系で起きた紛争から、一体の巨大ラクノスが制御不能になってしまいましてね。現在、流星化してしまった状態なのです。
当事政府側は、自分の勢力圏から離脱してしまったラクノスに対する諸権利を放棄しましてね……。
まあ、言ってしまえば宇宙ゴミの処理をお願いしたいのです。
え?
それを異世界人の方にお願いする理由ですか?
ご存知のとおりラクノスの装甲は非常に硬いのですが、今回処理する軍事用ラクノスはワタシどもの持つ火力程度では外部から爆破できなかったのですよ。
また、ワタシの世界では超長距離移動に「超時空物質再構築」という技術を駆使していますが、流星化した巨大ラクノス内部への移動は不可能です。
けれどそちらの『紫の扉』では可能とのことですのでね。
お願いさせていただいてる次第です。
ああ、そうそう。
ワタシどもの会社がお金を出しても、この軍事用ラクノスを処理したい理由は言ってませんでしたね。
この流星の進路には、これから開拓予定のあったタガウノ星団があるのですが、計算上78%の高い精度でこの星団中の星に激突する予定なのです。
特にこの中の恒星オメガに激突する確率は28パーセント。
処理するラクノスの性能いかんによっては、この衝突によってブラックホールができてしまう可能性すらあるのです。
……とはいうものの、処理に失敗してブラックホールができてしまっても、もともとそういう星系であったと考えてしまえば大したことではありません。
ワタシどもも開拓先を別方向に向かえばいいだけですし。
まだまだ処理に関しては猶予もあります。
もし、何とかしたいと考えていただけるなら、
どうぞお知らせを。
【流星化したラクノス情報】 軍事目的で使用されていたラクノア世界のラクノス。 その用途・性能不明。(当事政府公表せず)。 操縦者の生死不明。 ○流星化したラクノスの全長15km。 大火球となり、タガウノ星団方向へと進行中。 タガウノ星団の恒星オメガとの激突予測28%。 ○軍事警備会社貸し出し装備 15m級ラクノス 装備:「消火ランチャー」 |
×××……ドウデスカ? コノ『ラクノア』ノ、「目標物爆破または停止」ノ仕事ヲ引キ受ケテモヨイナラ、 行動計画ヲ登録クダサレ。 ソノノチ、「メモリーソナー」ヨリ行動転送サシテイタダキヤス……×××××× |