「英雄復活リベンジ・オブ・ジャスティス」
第2部「ハルマゲドン編」

ゲームマスター:いたちゆうじ

【参加募集案内】(第3回《通算第6回》/第2部全3回)

サブタイトル「サイバー攻撃! 闇の王! そして南太平洋へ! の巻」

 アーマードピジョン、そして在日米軍の活躍により、ついにゲソ部長は倒され、首相官邸は奪還された。
 長らく活動を休止していた国会議員たちが緊急に招聘され、次の首相を決める臨時国会が開かれようとしている。
 次期首相は、デッドクラッシャーズ対策を明確に打ち出さざるをえないだろう。
 そのとき、アーマードピジョンはどのように位置づけられるか。
 日本国民は、固唾を飲んで政界の成り行きを見守っていた。
 ゲソ部長は倒れ、デッドナイトも消滅したが、デッドクラッシャーズは決して日本から撤退したわけではない。
 現に、新しい極東支部長として、ホンコン支部の支部長だったドラゴン総統の転任が確認されている。
 デッドクラッシャーズのホンコン支部は、サイバー攻撃に長けていることで有名だった。
 そして……。

「おかしいなあ。最近、アーマードピジョン本部から連絡がこないぞ? 以前は一日に一度、必ず事務連絡がきたんだけどなあ」
 ガーディアンたちは、首をかしげている。
「連絡がこないだけならまだしも、スタッフとチャットで話そうと思っても、アクセスできないんだよ。まさか、サーバーがいかれたとか?」
「でも、主に使っているサーバーはあるらしいけど、基本的に特定のサーバーってのはないはずなんだけどなあ。ピジョンの通信回線はインターネットと別の独自回線もあるらしいから、そう簡単に連絡手段がなくなることはないはずだけど」
 そのとき。
 ガーディアンたちの不安にこたえるかのように、全員に電子メールが送られてきた。
「あっ、このメール、一般的なアドレスから送られてきてるぞ。しかも、超極秘形式でエンコードしてないよ。危ないなあ」
 ガーディアンたちは呆れながら、そのメールを読んだ。
 そこには……。

「みなさん、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。みなさんの予想どおり、アーマードピジョンが普段使用している電脳空間に異変が生じています。普段チャット空間で電脳会議にふけっているスタッフたちのパソコンが、チャットを始めようとした瞬間、正体不明のウィルスに感染しました。未知のウィルスです。駆除するプログラムを現在開発していますが、間に合うかどうか。チャット空間自体が、デッドクラッシャーズが開発したと思われる新型ウィルス(デッドワームと呼ぶことにします)に感染しているようです。グレイト・リーダーに連絡をとることもできません。そもそも、彼が無事なのかどうかもわかりません。ですが、スタッフの一人が必死で電脳空間を調べたところ、ひときわ大きなウィルスの存在が確認されました。電脳空間に一瞬うつった形態をもとに、デッドゲンゴロウと命名されたそのウィルスは、グレイト・リーダーを探しているようです。みなさんに明かしますが、グレイト・リーダーは噂のとおり、ネット上にだけ存在する人工知性体です。ですが、私たちも彼を誰が、どのように開発したのかは知りません。わかっているのは、ネットで活動してきたアーマードピジョンがいま壊滅の危機を迎えているということです。みなさん、このメールに添付のソフトを携帯端末にインストールして、端末と頭脳を電脳ケーブルで接続すれば、みなさんの意識を電脳空間に送りこむことができます。みなさんの意識を反映して、レッドクロスも使用できます。まあ、ヴァーチャルリアリティといえばそうですが。みなさん、お願いです。電脳空間を、アーマードピジョンを救って下さい。アーマードピジョンスタッフ一同」

「何だって? 意識を電脳空間に送り込む? そんなこと本当にできるのか?」
「レッドクロスも使用可能って、めちゃくちゃな感じがするけどな」
 ガーディアンたちはみな一様に戸惑った表情だ。
「でも、グレイト・リーダーがピンチだっていうなら、何とかしなきゃな」
 そのとき。
 もう一通のメールがガーディアンたちに届いた。
 今度は、超極秘形式だ。
「これは、グレイト・リーダーから!?」
 ガーディアンたちは目を丸くした。

「みなさん、だいたいの事情は知ってると思いますが、私は自分の身は自分で守ります。たとえ私が消えることがあっても、みなさんが気にする必要がありません。南太平洋の、閉鎖された未知文明研究所に、在日米軍の艦隊が向かっています。研究所には、レッドクロスと関係のある未知の技術が眠っていると思われます。在日米軍にクロスの秘密を知られるのは危険なことです。さらに、デッドクラッシャーズも米軍の動きをキャッチして研究所に向かっているようです。私のことは構わず、みなさんの一部には研究所に向かってもらいたいのです。また、富士の樹海に闇の王が出現したとのことですが、こちらの警戒も怠らないで下さい。何らかの対策を考えられれば幸いです。もうすぐ、あのウィルスがくるようです。さようなら。また逢えることを願って。グレイト・リーダー」

「いつになく慌てているようだな、リーダーも」
「私が消えてもって、俺たちはアーマードピジョンという組織じゃなくて、グレイト・リーダーという個人と契約してるんだぜ? 契約の相手がいなくなったらどうするんだよ、俺たち」
「それに、グレイト・リーダーだけじゃなくて、アーマードピジョンの連絡手段自体が危険にさらされているんだ。解決しないわけにはいかない」
「南太平洋まで行くのも時間かかるしな。クロスの秘密を盗まれたら危険なのはわかるけど」
 ガーディアンたちも、今回はどう動けばいいのか、明確な決定を下せない。

「南太平洋の孤島にある研究所まで、急ピッチで急げ!」
 在日米軍のローリー司令官が命令を下している。
「しかし、本国政府の了承はとっているのですか?」
「本国への報告は後から行う。心配はいらん。研究所で得られる発見があれば、俺たちの功績になるんだ」
 ローリー司令は、いつになく鼻息が荒かった。

「デッドォ! 南太平洋に向かうぞぉ!」
 再生超甲人機軍団は、潜水艦デッドマリンに乗って未知文明研究所に急いでいた。
 彼らを指揮する超甲人機は、新手だ。
「デッド、デッド、デッドキャンサー!」
 巨大なカニにしかみえない超甲人機である。
「キャンサー! いうこと聞かない奴は溶かすぞー!」
 デッドキャンサーは死のデッドバブルを吹いて部下を威嚇するのだった。

 ロンドン、グリニッジ天文台。
「博士! 異星人からの警告も相変わらず続いていますが、これをみて下さい! 宇宙空間から、巨大な物体が地球に接近してきています!」
「何だ、これは!」
 助手の提出したプリントをみて、博士はすっとんきょうな声をあげた。
「巨大なカマキリのようなかたちをしているが、これは? えーい、これもまだ発表するな!」
 博士はやけくそになって叫んだ。

「日本愛猫家連盟はクズだー!」
 市民たちが連盟の本部に詰めかけている。
 連盟について流された、衝撃の映像。
 その映像が、市民たちをして連盟の存在を拒否させたのだ。
「滅びろー!」
 本部は火をつけられ、崩壊していく。
「なぜだ、なぜ俺たちの良心が理解されない!?」
 会長は悲鳴をあげていた。
 そして。
「ガーディアンは英雄だー! 神だー!」
 日本英雄教会が、街を練り歩いて人々に呼びかけている。
「みんな、この日本はガーディアンがよくしてくれる! アーマードピジョンが世界をよくしてくれるんだ! この日本から、一致団結してデッドクラッシャーズを追い出そう! さあ、ガーディアンに祈りを、ガーディアンに協力を! 新しい時代をガーディアンとともにつくろう!」
 必死になって叫ぶ会員たち。
「何だ、ありゃ?」
「さあ。アーマードピジョンを応援する別の市民団体らしいけど」
「応援されても、不思議と嬉しくないんだけどな」
 ガーディアンたちは、呆れ顔で英雄教会の活動をみつめていた。

 ふんぐるおおおおおおお
 富士の樹海に吠える、闇の王。
 人間社会が彼に支配されるのは、もうすぐだ。
 邪悪な気配が、樹海に満ちていた。

【シナリオ登場キャラクター(NPC)】

☆ドラゴン総統☆
 デッドクラッシャーズ極東支部の新支部長(倒したときの報酬は大幹部扱い)。巨大な龍の頭を持った大男の姿をしている。元ホンコン支部長であり、サイバー攻撃に長けているようだ。肉弾戦にも強いといわれているが? 必殺技「デッドカンフー」。

☆デッドナイト☆
 デッドクラッシャーズ所属だが、特定の支部には所属せず、自分の意向で自由に行動できる謎の戦士。黒い馬にまたがって空中を駆けまわる騎士型。単独でアメリカのペンタゴンを壊滅させたという実績を持つ。前回鎧を破壊され、本来の、精神だけの姿になった彼はデッド星への『扉』をくぐって、消えてしまった。今後登場することはないと思われるのだが?

☆デッドキャンサー☆
 南太平洋に派遣される再生超甲人機軍団のリーダーを務める新型。堅い甲羅、横にしか移動できない足、強力なハサミを持ち、どんなものでも溶かすデッドバブルを放つ。必殺技「デッドバブル咲き乱れ」
 
☆デッドワーム☆
 アーマードピジョンのスタッフが普段使用している電脳空間に侵入した、デッドクラッシャーズ開発のコンピュータウィルス。分裂して勝手に増えていき、感染したパソコンを破壊する。電脳空間の侵入者には、獰猛に噛みついてくるぞ。まとめて倒すと報酬をもらえる。

☆デッドゲンゴロウ☆
 アーマードピジョンのスタッフが普段使用している電脳空間に侵入した、デッドクラッシャーズ開発のコンピュータウィルス。デッドワームと違って大型で、グレイト・リーダー抹殺の使命を受けている。電脳空間の侵入者には、ヴァーチャルリアリティとしてのミサイルやレーザーで攻撃する。報酬は超甲人機扱い。

☆闇の王☆
 デッド星への『扉』が開いたことで出現した、デッド星の巨大生物。不定形のうごめく存在だが、イメージとしては、巨大な球が宙に浮いていて、無数の触手がそこから生えている感じか? 地球上の兵器で倒せるかどうかは不明だが、闇の存在ということで、霊的な力を持った武器、あるいは神の力などに弱いようだ。また、光のクリスタルで攻撃を防げるらしい。倒した(!)ときの報酬は、とりあえず大幹部扱いで。それじゃ安い?

☆グレイト・リーダー☆
 平和維持組織「アーマードピジョン」のリーダーと呼ばれる謎の人物。その姿をみた者はなく、指示は常にネット経由で送られてくる。一説によれば、ネット上にしか存在しない仮想人格(人工知能AI)であるといわれるが、真相やいかに?
 
☆エリカ☆
 デッドクラッシャーズのアジトで研究に従事している亜細亜博士(プロフィール不明)の助手を務めていた少女。光のクリスタルを持って組織を脱出したがネコ男爵につかまり、瀕死の重傷を負ったがレッドクロスの力で復活、武装メイドに変身できるようになる。アーマードピジョンを一度飛び出した彼女だがその後復帰、レスキューチームのリーダーになった。

☆ローリー・コンドラチェフ☆
 在日アメリカ軍の総司令官。「ロリコン」と呼ばれると怒る。アーマードピジョンやガーディアンに対して微妙な発言を行っている。東京湾の巨大空母に控えている。レッドクロスにヒントを得て極秘兵器を開発しているらしいが?

【アクション案内】

i1.電脳空間に侵入、デッドワーム、デッドゲンゴロウと闘う。
i2.電脳空間に侵入、グレイト・リーダーを守る。
i3.南太平洋の未知文明研究所に向かい、デッドキャンサーたちと闘う。
i4.南太平洋の未知文明研究所に向かい、米軍の野望を阻止する。
i5.富士の樹海に降臨した闇の王と闘う。
i6.日本古来の神々に助力を請う。
i7.闇の王の被害から一般市民を守る。

【報酬一覧】

・超甲人機を倒す 1体につき1、000万円
・再生超甲人機を倒す 1体につき500万円
・大幹部を倒す 1体につき5、000万円
・デッドワームを全て駆除する 2、000万円
・在日米軍が未知文明研究所を探るのを阻止する 2、000万円
・一般市民の救助活動に多大な貢献をする 1、000万円
 そのほか、作戦中の功績に応じて随時報酬が支給されます。
 特に功績がなかった方にも、日当として5万円だけ支給されます。

【マスターより】

 リアクション書くのが遅れてすみませんでした。急ぎ書いてますけど大丈夫かな? 再生超甲人機軍団は前回と同様の顔ぶれです。闇の王はとりあえず封じ込めればいいのでは。

【次回サブタイトル】(予定)

「さらばリーダー! アーマードピジョン崩壊のとき」

【たとえばこんなPC&アクション】

・ヒーローは、敵と闘うばかりではない。レスキュー系のヒーローを作成し、救助活動専門で活躍するのもよいでしょう!(レスキューシリーズって特撮ものにありましたよね♪)
・開発担当として、科学者等のPCで参加することも可能! 超兵器を開発して戦場に華を添えよう! 
・人間のPCでなくてもOK。ロボットでもいいし、宇宙人・妖怪などでも可(笑)。レッドクロスがなくても変身できたりして?
・行政が頼りにならないなんて、そんなことはないぜと、刑事等のPCで参加も可能! その場合でもピジョンに所属させることは可能! あえて所属の傭兵にはせず、レッドクロスも必殺技もなしにすることもできますが、戦闘は難しいかも?
・せっかく用意してくれた女性NPCと仲良くならないなんて、俺のPCの道に反する(笑)というわけで、エリカを守って、後のラブラブを狙え〜! ストーリーの大筋を無視してひたすら愛の世界に!