『紅の扉』   これまでのあらすじ〜2005.12

ゲームマスター:秋芳美希

【ムーア世界の歴史(異世人の登場以前)】
 物質文明の崩壊した世界。
 文明世界が海に沈み、陸地には荒野が広がった世界。
 生き残った人々はわずかな糧を奪い合い、人心は文明を離れて生き残る戦いを続ける。
 やがて、超自然の力を操る子供たちが生まれ、彼らにより「トーバ」という国が建国される。彼らは自らを「神官」と称し、超自然を信奉する者となる。
 
 そして時は、トーバ君主がマハとなる時代。
 マハは、戦いのやまぬ世界を憂い、一人の少女を異世界より召還する。
 少女の名は、《亜由香》。
 亜由香は、マハに人々の心の安定に力を貸す約束をする。しかし、その亜由香が魔界より呼んだ者は、夢魔を始めとする魔物たち。その魔物たちによって、ムーア世界の混沌が深くなる。君主マハは、己の愚行を恥じて、亜由香と袖を分かつ。しかしその亜由香により「トーバ」は分断され、残った東トーバは戦いを続けていた。


【第二部までのあらすじ】

1.西ゴーテ編
 神官の力によって作られるバリアを国一体に展開する東トーバ。水に恵まれ、植物育成もまた神官の力で成長を早めることで国を維持していた。一見豊かではあるが、神官の力は疲弊している。
 一方、陥落できない東トーバに苛立つ《亜由香》。その《亜由香》は、『バウム』のウェイターたちが扱うゲート『紅の扉』へ進入し、異世界人たちを味方にすべく、ムーア世界へと連れ去った。
 この頃、ムーア世界を統べる《亜由香》に逆らっていた国は、東トーバと西ゴーテ。《亜由香》が連れ去った異世界人たちの多くは、東トーバに味方してしまう。そして異世界人たちは、東トーバを助けるべく、西ゴーテとの協調をのぞみ、かの地へ向かう。しかし、西ゴーテの住人は、意志をもつ機械群のみであった。
 様々な障害を乗り越え、西ゴーテから託された品を手に東トーバへ帰還する異世界人。その一つは、異世界人トリスティアの持つ「熱線銃」。そしてもう一つは、異世界人リューナに託された「音波発生装置」。装置の発生する一定の音波は、精神に作用する効果がある。また、異空間からの召還を阻害できる効果も見込めるという。少女が一人で持ち運ぶにはかなりの重量になるその装置は今、東トーバの神殿に残されている。

2.東トーバ降伏編
 《亜由香》を召還してしまった君主マハ。
 罪の意識にさいなまれる君主マハは、亜由香側の策にはまり、東トーバから連れ去られてしまう。
 世界を閉じる要であったという君主マハ。
 その君主マハは、ムーア宮殿で異形に変化させられ、魔物召還の道具となる。
 異世界人たちは、そんなマハ奪還に成功する。だが、マハを正気に戻そうとする過程の中で、君主マハが《亜由香》を召還してしまった事実が明らかになる。この事実が東トーバの神官に知れ渡った時、神官たちの心が乱れ、これまで東トーバを守ってきたバリアを維持できなくなってしまった。そこへ切り込む、修羅族と呼ばれる魔物たち。そして彼らに率いられたムーア兵。
 君主マハが異形のままのこの時、東トーバを代表する神官長ラハは、《亜由香》に降伏を決めた。

3.東トーバからの脱出行
 東トーバ降伏の混乱時、民684名、神官105名が東トーバを脱出する。彼らの向かう先は、北方の山岳地帯にあるという神官の隠れ里『アマラカン』。道中、異世界人より技を教えてもらって力をつける若者や神官たち。着々と防寒用意も整えていた一行は、彼らを追ってきたムーア部隊によってすべての装備を失う。この時、ムーア部隊を指揮した異世界人リュリュミアによって、神官に扮した異世界人アクアと神官長補佐役ルニエたちは、軍事都市ゼネンへ向かうこととなる。
 一方、追撃部隊の司令官でもあった神官長ラハを改心させ、その場を脱出した脱出組本隊。彼らは、最北端の商業街キソロをへて、険しい山を登るという。

4.北方最大の軍事都市ゼネン編
 高度な物質文明の遺産であるらしいゼネン。そのゼネンの領主は、上級魔族側の魔物であった。三つ目の魔物は、数々の特殊な技でもって異世界人ディックと、神官の素養を持つ4名の子供を拉致する。そのゼネンは、準備が整い次第、城塞ごと深淵魔界に向かうという。
 
5.自由への戦い編
 独立独歩でムーア世界を旅して回る少女リクが、商人を中心に作った情報網は“リクナビ”。行商する商人の知り得た情報は、その街に常駐して商う者に伝え、商人を窓口としたネットワークが広げるというものであった。
 夢魔がムーア世界から消滅し、夢から完全に覚めたムーア世界の人々。彼らは、“リクナビ”を通じて、異世界人に協力する体制が整えられている。
 他方、蹂躙される東トーバにおいて、奪還を目指す異世界人の少女トリスティアがいた。戦闘によって負った傷は、“リクナビ”の医療部によって治療されるのだが、その怪我も完治しないまま、東トーバ駐屯地である神殿に乗り込もうとするトリスティア。その姿と説得する声によって、東トーバの民が立ち上がり、また多くのムーア兵がトリスティアに続く。残った兵は、無言で彼らに道を譲ったという。

6.亜由香編
 ムーア世界を統べ、魔物をムーア世界に呼ぶ《亜由香》。
 亜由香の呼び込む知性のある魔は、人々を夢見させる夢魔や、腕力と敏捷性の高い魔物の修羅族など。
 その亜由香と微妙な協調関係にあるのは、一体の上級魔族。両者は、それぞれが呼び出した魔物をムーア世界に配してゆく。その中で、次第に勢力バランスが上級魔族側に傾く中、《亜由香》が焦りを感じ始める。二つの魂の融合体であったらしい少女《亜由香》。その魂は、異世界人の乙女エルウィックの心に触れて本来の形に戻ったというが、現在のムーア宮殿にはいないという。
 そしてムーア世界の実権は……。

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